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丁寧に小さな命をつなぎながら地域に根を張る素晴らしきかな『Terroir 愛と胃袋』

公開日: : 2017/10/29 店・料理人

「愛と胃袋」・・

最初店名を聞いたとき、どんなレストランなのかさっぱり想像がつかなかった。出会いはいまから4年か5年前になるかな・・ちょっと忘れてしまったがそれくらいだと思う。

「愛は胃袋をとおって育まれていくもの」
恋人、ご家族、ご友人など大切な方との愛が深まる食事の場でありたい。これが「Restaurant 愛と胃袋」のコンセプトです。けっして大きなお店ではなかったが、とにかく愛が詰まっていた。三軒茶屋にあるそのレストランに僕も何度か食事に伺った。そして信作シェフの料理が変化していく様を見続けることになる・・・東京、滋賀、京都、北海道、フランス‥等、信作シェフとは旅を重ねるごとに想いを共有し、お互い言葉は少なめだが相通ずるものを感じた。それは料理にもしっかり反映されていた。

三軒茶屋で4年間コツコツと積み上げてきた「Restaurant 愛と胃袋」は、2015年8月に突然幕を閉じた。さぁこれからというときにだ。僕も含め周りはかなり心配した。そして2017年に山梨県北杜市高根町に築170年の古民家を改修し、「Terroir 愛と胃袋」としてオープンしたのだ。それでも周りは心配した。見知らぬ土地でやっていけるのか、信作シェフの料理は受け入れられるのか。

3人の子供を抱えながら日々バタバタしながらの店舗運営は想像を絶する大変さだろう。それは三軒茶屋にいるときから変わらない、いや、子供が1日増えてもっと激しくなっているような気がする。でも、信作シェフと恵海さんはすぐに地域にとけこんだ。2人が選ぶ食材は大量生産できないものばかり。小さな命をつなぎながら一皿に魂を吹き込む。最初に信作シェフの料理を食べた時、店名とは裏腹に愛を感じなかった。しかし、閉店間際に食べた料理は愛に溢れていた。そして現在、僕はいまだに行けていないのだが(ごめんなさい)、おそらく信作シェフの料理は愛に満ち溢れていると思う。料理を食べて泣いてしまったらどうしようとか考えると、おいそれと行けない。というのは大袈裟だが、日々慌ただしい中にも2人が食材の命をつないで、丁寧な生活をしていることを想像すると胸がいっぱいになる。

八ヶ岳の大地を味わうフレンチレストラン『Terroir 愛と胃袋』後編

前編

 

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