愛農ナチュラルポークin成蔵でまたまた感動した
愛農ナチュラルポークは表面をカリッと揚げるより低温でじわじわと揚げるほうがおいしい。
個人的には衣がカリッとしたトンカツが好みなのですが、こと愛農ナチュラルポークに関してはふわふわの衣をつけてじっくり揚げるやり方がおいしいのです。もちろん好みの問題ですが、年を追うごとに食を共にする友人は同じような味覚を持ち、同じような感覚の方が必然と多くなりますね。食べることしか楽しみがないといえば少し寂しいものを感じますが、探れば探るほど食は奥深く、たとえばトンカツは肉がメインですが、パン粉や油を探ればこれまたおもしろいことが見つかったりするものです。
さて、1年ぶりに開催した成蔵さんでの愛農ナチュラルポークの会。普段は開店前から行列ができるほどの人気店につき、毎回無理をお願いして定休日にお店を開けていただいているのです。さらに今回の参加者は日本を代表する料理人の方々ばかり。夕方には各々の厨房へ戻らなければいけないことから15時というなんとも中途半端な時間からスタートしたのでした。
素材の力が90%だとすると料理人の技量は10%。数字だけ見ればたかが10%ですが、技術は10を100にも200にもする力があります。この日の成蔵さんは少し緊張していました。しかし、1品目からメーターを振り切るようなミルフィーユカツの登場です。愛農ナチュラルポークのモモを薄くスライスしたものをミルフィーユ状に重ねた極上の一品です。ひと口めは軽くそのままでサクッと。次は肉の隙間にサラダ用のドレッシングを差し込みしゃぶしゃぶ感覚でサクサクっ。この時点ですでに参加者の胃袋は鷲掴みにされていたのですが、料理人魂に火がついた面々の行動たるや(笑)
この状況でトンカツを揚げるなんて、僕ならぜったい嫌です(笑)
2品目はバラカツです。
愛農ナチュラルポークの特徴はなんといっても雑味のない脂の甘さです。ならばそれを存分に味わってもらおうではないかとマッキー牧本さんの無茶ぶりでバラカツが実現。バラは薄くスライスすれば問題ないのですが分厚いカツには不向きです。だからだれもやらないのでしょう。さて結果はと言うと、悶絶する旨さでした。愛農ナチュラルポークの脂の甘さ、広がりがすばらしくて肉に旨さは赤身ではなく脂だということを再確認しました。
3品目はぜったいおいしいヒレカツです。こちらは説明いらないですね。
4品目、これがラストなのですが1枚270gもあるロースを見事に揚げきりました。素材の良さを技術でさらに引き上げるという、プロの仕事ぶりを見せつけられたすばらしい一品でした。
いまや街中で気軽に食べられるトンカツですが、職人が揚げるその出で立ちは、芸術そのものでした。
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