近江牛の内臓をイルジョット高橋シェフが料理するとこうなった
公開日:
:
2013/11/23
イベント

今年最後の肉Meetsはイルジョットで締めくくりました。イタリアンの天才シェフが繰り出す内臓料理は私の想像を超えた料理ばかりだった。
おいしい、おいしくないの基準を考えると、料理人との相性ってすごく大きいような気がします。たとえば料理雑誌に有名な(業界では)料理人が取り上げられています。調べると肉料理、特に火入れが得意だという。検索すれば料理人を絶賛するブログがヒットする。予約して行ってみるとそれほどでもない。期待値が高いとかそういうのではなく、料理は普通においしいのだが何か違う。おそらく単純に私には合わないのだと思います。人間関係でいうならば生理的に無理みたいな感じですかね。
イルジョットの高橋シェフの料理は私の中では天才的であり相性もよく、とにかく私の無理難題にも果敢にチャレンジしてくれ見事に胃袋を満たしてくれるのです。無理難題というのは食材に関してで、今回の肉Meetsでもハチノスやレバー、ハラミはなんとなくこういう料理にするのだろうと予想はできるのだが、肺とか脾臓、盲腸まで料理するもんだから、しかもおいしいとなればそりゃ感動を超えて手を合わせたくなりますよ。

いまや高橋シェフの代名詞のような牛タンのコンフィ。近江牛のタンから根元の部分だけを使った貴重で贅沢な一品。ちなみに冒頭の写真は、左からハラミ、セルフィーユの根っこ、レバー、ハツです。こちらは炭火で焼き上げたこれまた高橋シェフお得意の料理です。

こちらは蟹みそではありません。肺と脾臓のブルスケッタですが、いやぁー参りました。肺と脾臓は屠畜場のおばちゃんがサービスでくれるのですが使い道がないので困っていたのです。それがこんなにおいしくなるなんて衝撃です。
さて、牛の内臓に関してはいまだに理解しにくい流通形態であり、商習慣がこびりついている世界です。牛肉と内臓は流通がまったく異なり、トレーサビリティの盲点とも言われています。牛一頭買えば内臓もついてくると思っている飲食関係者がまだまだ多いですがまったくの別ルートなのです。牛肉の場合だとだれそれの(生産者)牛が欲しいと言えば手にはいるのですが内臓はそれができないのです。つまり昭和時代から置き去りにされてきたブラックボックスというわけです。
だから消費者は食べてる内臓がどこのものか知る術がないのです。「国産」とか「黒毛和牛」とか表記している店もありますが、これすら疑えばきりがないのです。問屋の営業マンですら分かってないのですから。
枝肉は屠畜後7日~10日程度寝かせるのが一般的です。これは死後硬直を梳(と)き、肉の酵素によってたんぱく質を分解し旨味成分のアミノ酸へと変化させるためでもあります。一方、内臓は足が早くすぐにでも売ってしまわないと鮮度がみるみる落ちていきます。
内臓業者は午前中に屠畜した内臓をすばやく処理して午後から取引先(肉屋や焼肉屋)へ配達するのが日課です。これはBSE以前の話しで、いまは検査が長引くと夕方までかかるためその日のうちにに配達するのはタイトなようです。BSE検査も現在はないのでまた元に戻ると思いますが。
とまぁ、かいつまんで説明しましたが枝肉と内臓は扱い方も異なれば扱う業者も異なるのです。
みなさん、よーく考えていただいてもお分かりのように、牛肉はトレーサビリティのシステムに莫大なコストをかけ、なにか問題が起これば偽装だのと叩かれるのですが、内臓はそういったことがほとんどないでしょう。つまり提供する側もされる側もトレーサビリティのニーズがないからなのです。
だからといってなんでもいいわけではなく、私は生産者がわかる内臓を量的には少ないですが確保できる体制をこの25年間で確立してきたわけです。だからこそ、肉Meetsで使用する内臓も出所確かなものを用意できるというわけです。私自身は内臓は大好きですが外食で口にすることは滅多にありません。特に焼肉食べ放題で提供されている内臓はちょっと私的には無理かな。内臓にトレーサビリティの義務はありませんが、できる限り情報公開している店で食べることが無難ですね。

私が届けた内臓すべてが入っているサルシッチャ。これもうまかった。気管などコアな部位はさすがに入っていませんが8種類の内臓が詰め込まれています。

こちらは前菜ででたセンマイですが、センマイはもともと黒くてグロテスクなんです。その形状からバイブルと呼ばれたり、見た目の悪さから雑巾とも呼ばれています。こうやって白くすることで見栄も良くなり食欲もそそるというものです。ただ、センマイもハチノスも白くする作業が大変で新鮮なうちに熱湯処理して器具を用いて皮を剥いでいくのですがテンションが上がらない作業は疲れます。でも、喜んでくれるお客さんがいればなんのその、がんばれるというもの。さて、2014年の肉MeetsはRESTAURAN愛と胃袋から始まります。

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