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ジビーフ少量ですが今回は一般販売もあります

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そろそろシビーフがいい感じになってきました。今回入荷のジビーフ“ヤスシ君”はかなり水分量が多く、写真(↓)からもお分かりいただけるように滴(したた)るほどです。ジビーフを扱うようになってからは私の中の赤身肉概念が少し変わりました。例えば和牛の場合、大きく分類するとロース系は霜降り肉でモモ系は赤身肉になります。ただ、モモでもイチボやヒウチなど部位によってはサシが入りますから、売り方としては非常に困るわけです。これを赤身というにはかなり無理があります。霜降りモモとか部位名で表示したりするのですが、規制が緩い一昔前ならサシが入っていればすべてロース扱いする店も多くありました。

ハラミは内臓ですが、それすらもロースで売っている店が多くありました。焼肉通には「ハラミ=内臓」は当たり前でも当時はハラミを内臓と知る人はほとんどいなくて牛肉扱いでしたからね。もっと言えばモモもロースで表示している店もあったくらいですから。

赤身肉ブームで各方面から取材のお声がけえをいただきますが(ありがとうございます)、熟成肉しかり赤身肉に関しても質問されることはほとんど内容が偏ります。ライターさんやテレビの方が持っている情報も似たりよったりのものが多く、だからどうということではないのですが、ジビーフを触るといつも思うのです。赤身肉ってほんとうはこういう肉のことを言うんじゃないかなぁって・・・。

海外によく行かれる方や滞在経験のある方、海外で修業したシェフなどが求める肉は決まって赤身肉なのですが、和牛の赤身肉を送ると「こういうのじゃない」という声が多いのです。ジビーフはアンガス種ですから、赤身肉を求めている方には最適じゃないかと思うのです。もちろん好みはありますが。

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ホルスタインはどちらかと言えば赤身が強いのですが、そうなるとホルスタインに強くない当店で買わなくても他の肉屋でもいいわけです。熟成させたり2次的な工夫や加工をする場合は別として、当店で買っていただくには(買う側は)なにかしらの理由がいると思うのです。

おかげさまで、たくさんの供給はできませんが、近江プレミアム牛、ジビーフ、愛農ナチュラルポークなど当店でしか買うことのできない肉がいくつかあります。牛肉ならなんでもいい、安ければいい、そういう方もいるとは思いますし、だから全体的なバランスがとれているのだと思います。

ここ数年、世界的な牛肉高騰が続いています。牛肉はご馳走でありハレの日に食べるもの。そんな時代がふたたび訪れそうな予感がしないでもないですが、当店で扱っている牛肉は近江牛が主力です。しかし近江牛ならなんでもよいというわけではなく、生産環境を重視し生産者と共有できる部分がなれけば扱うことはありません。そのうえで味を追求していきます。

ジビーフに関しても同様です。残念ながら味の部分でいうとまだまだです。近江プレミアム牛の評価はかなり高く、お使いいただいている料理人の方々からも「近江プレミアム牛は別物」という感想をたくさんいただきます。愛農ナチュラルポークも同様です。しかしながらジビーフに関しては、まだまだこの域ではありません。背景はだれもが興味を持ち、そして現地に出向けば感動します。しかし味はまだまだこれからです。

生産者だけでも無理ですし、私が一人でがんばったところでたかがしれています。シェフのみなさんや応援してくださる方々がいなければ間違いなく成り立たちません。

まだまチャレンジしなけれいけないことだらけですが、現段階における最高のジビーフです。間もなく一般販売も開始しますのでご興味のある方がおられましたらぜひお試しください。

 

 

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