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愛情が肉をおいしくする

公開日: : 2015/04/17 牧場・生産者

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肉とアルコールの相関関係は好みもありますが、赤ワインだけではなくシャンパーニュや白ワイン、ロゼや日本酒とも楽しめます。これからの季節だとまずビールで喉を潤してからワインなんて方も多いんじゃないでしょうか。

私が肉を管理するうえで特に気をつけていることは、酸が強めで余韻が長く残るような肉に仕上げることです。そのための「管理」です。毎日冷蔵庫で枝肉をみて状態を確認するのですが、これって生産者が毎日牛にごはんをやりながら健康状態を見るのと同じなんです。

そういった管理をキッチリやればやるほど肉は可能性を広げてくれます。赤身の肉は特にガシガシと噛み進めるうちにおいしい肉汁を感じることができますし、こういう肉は乳酸的な酸を持っています。合わせるワインも赤だけではなくマロラクティック発酵を行った白ワインなんかもよく合います。

とまぁえらそうなこと書いてますがワイン屋の友人やシェフのみなさんから教えてもらったことばかりで私はそれほど詳しくはありません。おいしければとりあえずはいいかなというタイプで、そこから生産地や作り手など掘り下げていくのが楽しいのです。そのうえで再度口にするとあきらかに味が変わるから不思議です。それだけ商品環境が味にあたえる影響が大きいということでしょうね。

さて、昨日は能勢の中植牧場さんへお邪魔しました。友人の獣医先生の定期巡回に同行させていただいたのですが滋賀の牧場以外で牛を見るのは久しぶりでした。いつもは但馬の小ぶりな牛ばかり見ているので中植さんところの薩摩の牛は大きく見えました。すごく人懐っこくて顔を近づけるとこんな感じでベロベロ舐めまわされます。

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激しすぎて思わずマスクで防御です。以前、舐めまわされて口が切れたことがありまして、中植さんところの雌牛は積極的すぎますね。約70頭と規模的には小さくやられているのですが、まさしく目の届く範囲でガッツリと愛情を感じたのでした。牛をみればどれだけ愛されて飼われているのかわかりますね。

獣医さんは牛に話しかけながら聴診器をあてます。まるで牛と会話しているかのようです。それは枝肉になっても同じなのです。枝肉に話しかけてる姿は不気味だと思いますが、なんか応えてくれそうな気がするのです。

獣医さんや生産者の話しは専門的すぎて理解できない部分もありますが、牛の病気などから起こる枝肉への瑕疵など、目の前の牛の状態を見ながら解説していただくとものすごく連想しやすいのです。技術があれば肉は切れます。でも、おいしさを追求するとなると技術だけでは補えない部分があると思うのです。たとえば霜降りの肉を作るのはそれほど難しいことではありません。しかし霜降りでも血統由来で入る霜降りもあればビタミンをコントロールして入れる霜降りもあるわけです。こういった知識は肉屋にとってもおいしさを求めるうえで必要なことだと思うのです。

生産者や獣医さんと連携しながらさらに料理人の意見を聞くことが私にとってはおいしい肉を作るうえでの要因です。生き物相手なのでうまくいかないことのほうが多いですが、志をともにする仲間との牛談義は尽きません。

最後に、おいしい肉はどうやって作られるのか。よく質問されますが血統や飼料はもちろん重要です。しかしながら家族が仲良く牛を飼っている牧場へ行くと幸せオーラを感じます。そうじゃない牧場へ行くと居心地が悪かったりします。夫婦喧嘩が絶えなかったり、家庭に問題があると牛たちはすぐに察します。牛の気持ちはわかりませんがもしかするとそんなことも肉の味に影響しているのかも知れません。

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