*

ドミニク・フーバー氏とイルジョット高橋シェフの共演

公開日: : 2015/02/14 イベント

IMG_2563

ある人が言いました。料理はセンスだと。私は胸につっかえていたものが腹に落ちました。もちろん経験や知識などもおいしさに加味されるのですが、なるほどセンスか。たしかにそうだと思います。そういえば私が肉の修行をはじめた19歳のとき、先輩から「ヨシノブ、肉切りはセンスやぞ」と言われたのを思い出しました。

数年前に大阪のワイン会でスペインでワイン造りをしているテロワール・アル・リミットのドミニク・フーバー氏(以下ドミニク)と出会った。ドミニクの父親が肉屋ということもあり、なぜかワインよりも肉の話しで盛り上がった。そのときのことをドミニクが覚えていて、今回の来日に合わせて私の熟成肉を食べたいと要望され、じゃーどこがいいかなってことでイルジョット高橋シェフにお願いすることになった。

IMG_2492

ドミニクのワインは何度も飲んだことがありその繊細な味わいに合わせる肉をいくつか選んだ。選んだというよりイルジョットには私の持ち駒がほとんど常備されているので、木下牧場の近江プレミアム牛、40日熟成の石垣牛、40日熟成の北海道経産牛、愛農ナチュラルポークといったラインナップで高橋シェフが腕を奮ってくれた。

IMG_2490

IMG_2526

興味津々なドミニク。特に近江プレミアム牛が秀逸なうまさだった。旨味が伸びるというのか酸のキレもよく余韻も長い。濃い赤身なのでとれけるような味わいではないが噛みしめるたびに肉の香りが鼻を抜けていくような感じだ。ドミニクのワインとの相性も抜群だ。近江プレミアム牛に関しては、いろんなシェフから意見をいただくのだが、皆さん一様にレベルが違いすぎるとお褒めいただくことが多い。

ドミニクや高橋シェフと話していて感じたのだが、肉のことだけ詳しくても本当のおいしさには気づけないと思う。私は生産者と対等に付き合いたいから牛のことを勉強してきた。もちろんレベル的には大人と子供の差はあるのだが、それでもなんとか会話は成立する。牛を知ると肉がわかる。これってじつに大切なことでパズルが組み合わさるように問題点が解決していく。例えば「シコリ」についても牛を知っていると理由がわかるし納得できる。

そして料理とワイン… 目の前にある肉をおいしくするために必要なことは、牛と肉、そして料理とワインを知ることだと感じた。もちろんすべての方にあてはまるわけではなく、私が目指しているものにはこの4つが必要不可欠なのだ。

ドミニクが造る人為的な介入も添加もしない本物のワインには、高橋シェフのしなやかで時折みせる攻撃的な料理が最高のマリアージュだった。

 

記事が気に入ったらシェアをしてね

  • twitter
  • facebook
  • google+
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

理想の肉牛を求めて~日本農業の未来を語ろう!駒谷信幸氏×西川奈緒子氏×新保吉伸&イルジョット高橋シェフによるスペシャルディナー

告知が遅くなりましたが、2月14日にきたやま南山地下のギューテロワールにて日本農林漁業振興協

記事を読む

肉Meets in Collaboration×6

Le14e@茂野シェフ(フレンチ)、IL DENTE DI LEONE@関シェフ(イ

記事を読む

ロテルド比叡の集大成

2015年から営業を続けてきた「星野リゾート ロテルド比叡」が来月をもって運営終了します。ホテルの営

記事を読む

湯河原の冨士屋旅館で鹿と猪と近江牛

ある日のこと、際コーポレーションの中島社長から電話がかかってきた。湯河原の富士屋旅館で宿泊付

記事を読む

ワイナリー和泉屋×サンパ×サカエヤのコラボは激しくシェフの肉攻に全員ノックアウトくらったのでした

ワイナリー和泉屋×サンパ×サカエヤ まずは、メニューから。 ・アミューズ   オ

記事を読む

和牛・牛肉通販 近江牛.com

https://www.omi-gyu.com
仕事の奥深さ

本日から11月、しかし一年あっという間でなんか怖いですね。同級生ですで

所作

写真は、昨夜、BRUSTAで食べた近江牛ウチヒラ。西山さんはワ

今月のジビーフも2頭入荷しています

↑ はるか 今月も2頭のジビーフが入荷してきました。「はる

→もっと見る

  • 2024年7月
     123456
    78910111213
    14151617181920
    21222324252627
    28293031