その土地のテロワールに適した肉がある
公開日:
:
2014/07/21
雑記
先日、ワインバーで「テロワール」について議論しているカップルに遭遇。なんのこっちゃ的な会話でしたが、私も気になってその場でスマホを取り出して調べると、ワインに関してテロワールの意味するところは「気候、地形、地質、土壌などの複合的地域性」のことだそうです。
てことは牛と同じじゃないかとそれ以来「テロワール」が頭から離れないのです。そして今日届いた雑誌にも「牛肉はワイン同様、その土地のテロワールに適した種があり、それぞれの土地で肉の魅力が異なります」と書かれているではないか。
確かにそう思うところが多々ある。たとえば同じ血統の子牛でも近江で育てるのと松阪で育てるのでは随分違ってくる。生産者の育て方や環境によるところが大きいのだが、気候風土にによる地域性という点も見逃せない。極端なことを言えば、北海道で育てた牛と沖縄で育てた牛は違って当たり前だし、もっと細かなことを言うと、冬に産まれた牛と夏に産まれた牛では肉質や肉に含まれる水分量も違ってくる。
近江牛の生産者でも得手不得手があり、但馬系の牛を飼っている木下さんが九州系の牛を育てられるかというと無理があり、逆に九州系が得意な生産者が但馬系を育てられるかと言うと、こちらも難しいのです。他にも雌牛を育てるのが得意な生産者も入れば雄牛が得意な生産者もいるのです。
写真は、もうすぐ販売のホルスのLボーンです。一般の方が果たして焼けるのかとまずは自分で焼いてみたのですが、3㎝の厚みだと肉が反り返ってしまって火が入りにくい。やはり一般向けは5㎝ぐらいが妥当かと。(プロ向けは7㎝)、あと骨の周りは火が入りにくいのでじっくり時間をかけて焼いたほうがよさそうだ。
こちらの牛は北海道十勝産なのだが、ホルスにありがちな乳臭さもなく非常においしい。このあたりもその土地のテロワールに適しているのかも知れない。
関連記事
-
-
格付けとおいしさは関係ないという話
最近焼肉を食べる機会が少なくなった。春から夏にかけてびわ湖でやるBBQがせいぜいで自宅で焼肉
-
-
2011年の営業が終了しました
今年最後の営業日となった12月31日。 肉屋の年末は地獄のようなもので、それはもう20
-
-
牛肉に含まれる水分量と旨み
近江プレミアム牛(左)と近江牛のウチヒラ(右)です。 最近、肉の水分と旨みについて考え
-
-
おいしさを語るにはたくさんの体験をすること
いまでこそ牛肉もお寿司も日常的に食べることができるが、私が幼いころは盆正月とオメデタイ席でし
-
-
これからの時代は「産地よりもだれから買うのか」にシフトする
牛肉を選ぶとき何を重要視したいですか?[/caption] 4月25日にきたやま南山にて開催