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サルティンボッカ木村シェフが挑む完全放牧野生牛

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 写真は、4月4日に開催する「肉Meets × 完全放牧野生牛 in サルティンボッカ」で木村シェフが挑む完全放牧野生牛のイチボを試食させていただいたときのものだ。結論から言うとかなりおいしい。一旦飲み込んだ草をもう一度噛んで胃に戻す反芻動物の代表が牛なのだが、原始人マニアの私にとってはタイムスリップしたかのそうな幻想的な味だった。

料理した木村シェフもかなり気にいったようで、引き続き使ってみたいと4月からのメニューに加えていただくこととなった。出荷数が2か月に1頭ペーズなのでせっかくグランドメニュー入りしても品切れのときがあるかも知れませんが、ぜひとも食していただきたいものです。

和牛文化は霜降り肉によって昇華した感じがありますが、ここ2~3年は健康ブームに乗って赤身がブームになりつつあります。雑誌などでは「霜降り VS 赤身」なんて記事も多く目にしますが、完全放牧野生牛はそれらとはまったく異なる異次元の牛肉なのです。

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想像ではかなり硬いイメージだったのですが、拍子抜けするほど肉質は柔らかく、グラス特有の臭みもありません。それどころか肉本来の心を揺さぶるような香りがするのには驚きました。

おそらく、肉本来の酵素力によるところも大きいとは思いますが、ドライエージングがうまく作用しているからでしょう。菌の作用がどれだけ効力があったのかはデータをとっているわけではないので分かりませんが、通常の肉より水分が少ないため菌が付きにくかったように感じました。黴もほんのり表面に付着する程度で、歩留り的には肉を磨くパーセンテージも少なくて効率の良い牛肉だと言えます。

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こちらは、完全放牧野生牛と愛農ナチュラルポークのラグーですが、完全放牧野生牛の生産者でもある西川さんと、その息子さん(愛農高校養豚部)の親子共演のような一皿です。

さて、いまから東京へ向かいます。駒沢のイルジョットで高橋シェフが完全放牧野生牛に挑む「肉Meets × 完全放牧野生牛 in イルジョット」です。全国から感度の高い参加者が集い、さらに北海道様似から西川さんも来られ、西川さんのお父さん(現役のハンター)は、昨年の12月と今年の2月に仕留めた蝦夷鹿をイルジョットに送ってくれたらしく、これはもうとんでもない会になりそうです。ということで詳細は後日まとめて書きます。

 

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