世田谷に隠れ家的な場所を発見、そこで食べるDABが絶品なのだ
公開日:
:
2013/11/15
雑記
ありがたいことに、全国各地からお取引のご依頼をいただくことが年々多くなってきている。よほどのことがない限り、新規のお取引に関しては当店まで来ていただくか、私が出向くようにしている。
取引が始まってから来ていただいたり出向いたりという場合もあるが、電話やメールだけではどうしても私のモチベーションがあがらない。一度は顔を見て話しておかないと肉をカットするにしても気持ちが入らないのだ。顔が見えない相手との商売はただの作業になりがちで心の喜びが少ないので肉体的に疲れる。
昨日は出張で東京ということもあり、夜遅い時間ではあったが、私が手掛けているDAB(ドライエージングビーフ)を使っていただいているお店に寄ることができた。歳のせいなのかこのところ0時回ると途端に眠くなるのだが案の定この日も盛り上がる前にあえなくダウン。
お店は世田谷の住宅街にあり、ひっそりとしていたが(夜なので当たり前か)店内は常連のお客さんで賑わっていた。14~5席程度の小さな店だがまず感じたのが客層が良い。これってすごく大事なことでお客さんを見ればオーナーやシェフの人となりが垣間見れる。
さっそくDABを焼いてもらった。友人がいうには、前回食べたときよりも格段に上手くなっている(とシェフに面と向かっていうもんだからヒヤヒヤだ)、、、しかし、このあと時間が経つにつれて、隣のお客さんと親しくさせてもらったり、後ろのお客さんから「お肉おいしかったよ」と声をかけてもらったりと、この店のポジショニングがなんとなく理解できた。
ポジショニングといえば、「他店と違うことをして位置を確立すること」だが、このお店はスタバが掲げるサードプレイスに近いものを感じた。つまり、家庭ではなく(ファーストプレイス)、職場でもなく(セカンドプレイス)、第3の空間(サードプレイス)に大人たちがおいしい食事とワインに癒されにくる場所なのだ。
だから、客も店側もお互いが好き勝手言っていいのだ。そういう風土が店を作っている。お客さんによって店がつくられていくようなイメージかな。DABは焼く枚数を重ねないと火入れが微妙にむつかしい。友人が前回よりうまくなった、という言葉の裏には「応援」がある。応援は無競争というポジショニングをつくっていく。もちろん私も応援者の一人だ。
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