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偽装は氷山の一角、信頼できるのはだれなのか

公開日: : 2013/11/03 雑記

2011年より、経済産業省中小企業庁委託事業として公益財団法人ハイパーネットワーク社会研究所さんの依頼により東京、熊本、沖縄、北海道で情報モラル啓発セミナーの講演をさせていただいた。肉屋が情報モラルの講演?、、、しかも講演タイトルが「食の安全・安心と信頼確保のための情報モラル」、、、関連性がないように思われそうですが、じつは食と情報モラルは根深く関係していて、ITを駆使しネットを適切に活用することは、消費者の安全を守り生産者を守ることにつながるのです。

そして、過去の食品偽装を例にとり解説していくのですが、なぜ日本を代表するような企業が偽装を繰り返すのか?、、、それは組織ぐるみで目先の利益を追求するという体質ができあがっているからなのです。

2001年のBSE問題以降、輸入牛肉を国産牛と偽って国から助成金をだまし取るという事件が毎月毎月くり返し起こりました。そのたびに風評被害に苦しめられるのは真面目にやっている生産者や販売者であり、飲食店事業者なのです。ここしばらくは大きな偽装のニュースは聞こえてこなかったので消費者の方々は安心していたかと思いますが、とんでもない、偽装は水面下で着々と進行していたのです。

まともな食品関係者であれば百も承知の事実ばかり。ここ最近のテレビのニュースなんて氷山の一角です。人間が食べることをやめない限り偽装はなくならないのです。苦しい言い訳の会見なんかを見ていると経営陣のモラルの崩壊、料理人の知識がなさすぎます。

だからこそ消費者は自分で見極められる目を養わなければいけないのです。有名なホテルだから安心ということはぜったいにないのです。じゃー、いったい誰を信用すればいいのか?・・・

何度も書いていますがもう一度日本味育協会の宮川さんの言葉をお伝えします。

無題
いままでの産地偽装のニュースを見ていると、特に食肉関連については消費者にも問題があると思うのです。もちろん偽装していたホテルやレストランの責任は免れませんが、安価でおいしいもの、安全なものなんてないんです。

価値あるものはそれ相応の対価を支払わないといけないし、そうでなければいつまでも偽装は続きます。ホテルやスーパーによっては欠品すれば売り上げ補償をしなくてはいけない契約のため、仕方なく産地の異なる商品を納入するわけです。それが意外にも好評だったりして2回3回と続けていく、そのうち麻痺していき、しかも通常の商品より利益があるとなればそりゃ偽装をやめられません。

よく考えてくださいね。居酒屋ででてくるから揚げがどこの産地のものなのか考えたことありますか?スーパーやファミレスでよくみるインジェクション成型肉(せいけいにく)のサイコロステーキをみておかしいと思いませんか?ちなみにWikipediaにはこう書かれている。インジェクション成型肉とは、細かいくず肉や内臓肉を軟化剤で柔らかくして結着剤で固め、形状を整えた食肉。牛肉の赤身に牛脂や食品添加物などを注射した、「インジェクション加工」と呼ばれる処理を施した牛肉も含まれる。肉の安売りスーパーで売れ筋の加工肉は、パールミートという粉末を肉にまぶして結着させるのです。詳しくは書きませんがこれをうまいうまいといって食べる。もちろん安い。

私には添加物で味覚が麻痺しているとしか思えません。

今日、インターネットのニュースで許しがたい産地偽装が掲載されていました。お子様ランチの成型肉にアレルギー物質 「三笠」、前料理長は当初から産地偽装認識という見出しです。

近鉄系のホテル・旅館で発覚した食材偽装問題で、奈良市の旅館「奈良万葉若草の宿三笠」で「和牛」と表記しながら使われていた豪州産牛肉の成型肉に、アレルギー物質の乳、大豆、小麦が含まれていることが2日、分かったということだが、アレルギー物質が含まれていたのは、10月から販売を始めたお子様ランチ「バンビ御膳」の一品として提供された「和牛ステーキ」とのこと。

しかもですよ、実際は成型肉で、納入時の段ボールに貼られたシールにも「原材料の一部に乳、大豆、小麦を含む」と書かれていたそうで、まさしくモラルの欠落であり知識不足のなにものでもありません。

もう一度言いますよ。異なる部位の牛肉を混ぜ合わせた成型肉は、つなぎ成分として乳などが使われることがあり、アレルギーの人は注意が必要とされるのです。

私の友人の子供にアレルギー被害の男の子がいます。もしその子がこのステーキを一口でもたべたと想像すると・・・

本当に消費者一人一人が真剣に考えていかないといけない、そんな時代だと覚悟を決めなければ子供たちの健康被害が増えるばかりです。

 

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