放牧アンガスの熟成ロース、まずまずの仕上がりです
公開日:
:
2013/09/06
イベント
9月11日に開催される【IL GIOTTO高橋直史 × 駒谷牧場 放牧アンガス牛を食す会 in きたやま南山】はおかげさまで満員御礼となりました。モモ肉はすでに高橋シェフの元で11日に向けて下準備中、他の部位も各地のすばらしい料理人たちによっておいしく料理されています。
和牛にどっぷりはまっている肉屋の職人さんから見れば、おそらく肉をみただけで怪訝な表情をするくらい市場価値の低い肉だと思います。
私も10年ほど前ならそのような行動をとっていたかも知れません。しかし、料理の世界を少し知り、料理人の友人が増え、私の価値観が大きく変わりました。肉屋の陳列ではサシのある牛肉が見栄えすることから赤身肉はどちらかといえば敬遠されてきました。スーパーの肉売り場でも水分の多い赤身肉は、パック底にドリップが溜まり、割引シールが貼られいても売れ残っている姿をよく見かけます。
放牧アンガス牛も見た目がけっして良いとは言えません。だから小売には向いていないと思うのです。特に、肉屋が使い慣れている格付けで評価される牛肉とアンガスの放牧牛では、育ち方も肉の見た目も味も対極にあり、販売側としても仮に味がよくても売りにくいのが本音です。
しかし、志の高い料理人の手にかかると驚くほど変貌してしまうのです。すでに各地の料理人たちが興味を持ち始め、さまざまな手法で放牧アンガス牛を料理してくれています。私はサルティンボッカの木村シェフに作っていただいたローストビーフしか食していないのですが、かなりおいしかったです。とろけるような食感は味が単調ですぐに飽きてしまうのですが、放牧アンガス牛は食べ飽きることなく味に深みがあり食感もおもしろいものでした。
さて、イルジョット高橋シェフの頭の中ではすでに料理の組み立てが出来上が
食材の背景を知っていると知らないとでは味に大きく差が
さて、何度も書いていますがもう一度おさらいしますと、放牧アンガス牛の格付けはC-1でした。格付け
でも、C1評価の放牧アンガスに付加価値がつけばどうなるのか!参加者の価値観がひっくりかえるようなサプライズにいまからわくわくしています。
7月26日に屠畜されて8月1日に肉になり、8月9日に熟成庫へ入れました。写真は入れる直前の様子です。今日で27日目、本来なら40日は熟成庫へ入れておきたいところですが、イベントが迫ってきていることもあり、本日、熟成庫から引き揚げました。
いつものような感じではなく、カビもうっすらと付いている感じです。香はやや甘いといったところでしょうか。完全ではないにしろ熟成により肉質は大きく変化している様子が伺えます。あとは高橋シェフにバトンタッチするだけです。
ヒレ横のカイノミ部分にはこのように白カビが付着しています。さすがに脂は黄色くてぱさぱさですが、このあたりも経産牛に似ています。
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