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生産者を訪ね回るシェフの姿に意気込みを感じました

公開日: : 2013/08/04 牧場・生産者

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インターネットで情報発信していると、全国いろんなところからお声がけいただく。BtoBの見積り依頼も多いのだが邪魔くさいのでお断りしている。サンプル依頼もたまにあるのだが、こちらもお断りしている。とにかく安い肉を探している、という内容のものに関しては返信すらしない。

とこんなことばかり書いていると、新保はなんてひどいやつだと思われそうだが、見積もりに関しては、値段比較されるために時間を使って作業するのが嫌なのです。電話でちゃっちゃと価格を告げて終わらせたい。

サンプルに関しては、牛は個体差があるのでその都度味が異なります。だから牛肉のサンプルほど無意味なものはないと思っています。

お問い合わせいただく業種はさまざまですが、ホテルのレストランからもお問い合わせをいただくことがあります。なかにはだれもが知っている有名なホテルからお声がかかることもありますが、ホテルは制約が多すぎて結構面倒だったりするのです。

シェフ個人とは肉の話しで盛り上がったり、シェフの海外修行時代の苦労話を聞くのはおもしろいのですが、ホテルで働いている限り、シェフといっても企業の一社員です。いろんな縛りやシガラミのなかでは思う存分力を発揮できないのです。自分が理想とする形を追い求められない現実があるのです。だから、自分のやりたいことを実現したいシェフはとっとと辞めて個人店へ移るか独立するのです。

私が手掛ける肉は、ホテルのレストランよりも、10席とか20席の小さなお店のシェフに使っていただきたいし、そういうシェフのほうが生産者により近く、そしてフットワークも軽くちゃんと食材の顔を見ているのです。

いつだったか、あるホテルの料理長が、「うちは信頼のおける問屋に任せているから安心なんだ」とおっしゃっていましたが、それが一番危ないような気がします。

というような理由で、私はホテルとの取引には消極的なのですが、昨日は来月オープンするホテルのシェフと木下牧場で半日過ごしました。

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県内に9月オープン予定のホテルの方から電話があり、コーディネーターの方とシェフが来られたのが数か月前のことです。リゾートホテルで14室と小さなホテルなのですが、コンセプトが「地域のみなさまとのつながり」ということです。できる限り地元の食材を使いたい、そして生産者と一緒に取り組んでいるサカエヤさんのお肉をぜひ、ということでお越しくださったのですが、ここまでは普通によくある話・・・。

開業までの数か月、シェフは地元の方も知らないような埋もれた食材を探しまわっていました。詳しくは書けないが、地産地消、生産者の顔が見えるウンヌンを掲げた店は県内にもたくさんあります。しかし、私にはどうしてもポーズのように思えてならないのです。ところがこのシェフの目は違って見えました。そして行動がそれを裏付けしていました。そんな経緯から木下牧場さんへご案内したのです。タイムアウトで藤井牧場さんへは伺えなかったのですが、ディナーではこの2つの牧場の肉を扱っていただくことになりました。

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放牧場では、お腹に子供をもったお母さん牛たちが元気に過ごしています。木下牧場にはいろんな自慢があるのですが、掃除をしたことがないのも自慢の1つです。掃除をしなくても嫌な臭い1つもなく、なんといっても牛がキレイなのです。そしてストレスを感じず、のんびり過ごしていることが伝わります。こんな環境で育った牛なら子供たちにも安心して食べさせることができます。

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こちらはもうすぐ出産の「やすこ」さんです。なんと16産めとなります。あと2産はしてほしいと願うばかりです。奇跡の近江牛「なかのり」さんは18産してお肉になりました。ぜひなかのりさん超えをしてほしいものです。

いままで滋賀のホテルでオススメできるようなところがなかったのですが(私個人の意見です)やっと、自信を持ってオススメできるホテルができそうです。私が考える良いホテルとは、ホスピタリティはもちろんですが、わざわざ車を停めて歩いてエレベーターに乗ってまで行きたいレストランがあるかどうか、ということです。もっと言うなら食事だけで利用したいかどうかなのです。

昨日、オープン前の建物を見てきましたが、ぜひ泊まってみたい、そしてシェフが作る料理を食べてみたいと強烈に思いました。ホテルもレストランもこれからは規模を小さく中身を濃くの時代ですね。

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さて、9月中旬まで木下牧場、藤井牧場では、家族総出で牧草の収穫作業で大忙しです。牛が食べているものが私たちの体を作ります。こういった現場を見ていただくことも大切な一貫だと考えています。かつて何度も繰り返されてきた食の悲劇はすべて無知から始まっているのです。

 

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