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愛農ナチュラルポークの入荷は5月14日今回は3頭です

Joel Robuchonのフィレ。私は通常「ヒレ」と言ってるのだが、ここはあえてフィレということで。

Joel Robuchonのフィレ。

ゴールデンウィーク最終日、店舗も昨日までの忙しさから少しだけ落ち着いてきました。テレビでは朝からUターンラッシュや事故の話題で持ちきりでした。毎度のことですが・・・。

写真は、ゴールデンウィーク前に伺った恵比寿ガーデンプレイス シャトーレストラン ジョエル・ロブション(長っ)でメインにいただいた牛フィレのステーキです。普段、自宅でフィレを食べることはほとんどなく、年に2~3度も食べればいいほうで、だからというわけではないのですが外食ではフィレを食べることが多いのです。選択肢がフィレとサーロインしかない場合は100%フィレを選びます。

数年前に東京のホテルで某ブランド牛フェアに招待されて、サーロインの骨が取りきれていなくて、それを食べたのがたまたま私で・・・ということが2度もあって、それからは出てきた肉を四方八方から見渡す癖がついてしまって。同席の知人なんかは「さすが勉強熱心ですね」とか言われるのですが、じつはこういうことなんです。

ロブションでいただいたフィレは、渡辺シェフやメーテル・ドテルの宮崎さんとの会話をたのしみながらということもあり、とってもおいしくて贅沢な時間を過ごすことができました。

田舎者の私には敷居が高いお店ですが、こういった高級店は料理単品を楽しむというより、テーブルのセッティングや料理提供のタイミング、そしてサービスを含めて総合的に楽しむといったほうが正しい使い方のように思った次第です。

さて、夢の国から現実に戻って豚のお話です。

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愛農ナチュラルポークのおいしさはいままで何度も書いてきたのだが、豚肉の味は品種、飼料、育て方、環境(豚舎)この4つだ。

最初に言っておくと、私は牛にはそこそこ詳しいが豚はまったくわかっていない。しかし良い豚肉の見分け方は当然わかっている。だが、生きた豚のことは分からない。それは牛も同様で、一般的な肉屋さんはおいしい肉の見分け方は知っていても生きた牛のことはわからないのだ。そもそも、そこを深堀しようなんて人はそうそういない。だって知らなくてもいいことだし、商売に直接関係ないのだから。

枝肉からカットされた部分肉の状態で良し悪しの判断をして、最高の状態でお客様に提供するのが現在ほとんどの肉屋の仕事で、牛飼い(生産者)はその逆で、生きた牛の良し悪しは見分けられても、精肉の良し悪しはわからないのだ(例外な方もいますが)

私はすべてを知らないと納得しない邪魔くさいヤ性格なので、牛のことも血統から病気に至るまで、知らなくてもいいことまで知って頭が爆発しそうになることが度々あったりします。

豚に関しては、過去何度か豚舎を見学にいったくらいで一生深堀するほど勉強することはないと思っていました。ところが愛農高校の豚に出会ってからは意外とおもしろくて現在豚の勉強にハマってるのです。

浅はかな情報だが、豚肉の味は品種、飼料、育て方、環境(豚舎)、この4つと冒頭で書いたが、もう1つ、流通の際の扱い方も影響がある。

育て方を細分化すると、どのような環境で何を食べ、何日間かけて育てられているのか、という要素にわけることができる。狭い豚舎に詰め込んで飼育されているのと、頭数に余裕を持った飼育とではまったく違ってくる。

掃除が行き届いた豚舎とそうでない豚舎でも肉質に影響が出る。豚は臆病でキレイ好きな動物なのでストレスを受けるとストレスホルモンを分泌し、病気にかかりやすくなり肉質に悪い影響が出てしまうのだ。

飼料の内容も成長段階に合わせて設計するのだが、大多数はトウモロコシ、大豆などの配合飼料で育つ。豚は本来雑食なので、どんぐりを食べるイベリコや紅いもを食べる沖縄のあぐーなどのブランド豚も人気だ。

さて、我らが愛農ナチュラルポークだが、秀逸なのが脂だ。学校で配合している飼料が肉質に影響を与えていることは間違いなさそうだが、もちろんそれだけではない。飼育環境が大きく影響していると思う。頭数が少ないことと、生徒が実習の一環としてやっているので頻繁に豚舎を掃除している。いつ行ってもキレイなのだ。豚もさぞ気持ちよく過ごしていることと思う。
それと、投薬していないことも味に影響しているのではないかと思うのだがどうでしょう。

愛農ナチュラルポークを購入されたお客様からは、豚肉嫌いな子供がパクパク食べた、とか、肉をまったく食べない両親がおいしいといってくれた、とか、本当にたくさんの感想をいただいている。もう少し集まったらまとめて学校へ持っていきたい。豚の実習って楽しいものではないと思うので、誰かの役に立っている、君たちが育てた豚でこんなにもたくさんの方が喜んでいる、ということを伝えてやりたい。

脂が重くない、あっさりしているということは脂肪の融点(溶ける温度)が低いということだ。一般的には、不飽和脂肪酸のオレイン酸の含有量が多いほど脂の融点が低いといわれている。
肉のおいしさの目安として1つはオレイン酸だが、研究者によってはオレイン酸は関係ないと言う人もいる。

牛と豚は若干違うと思うのだが、焼肉屋さんでカルビを食べて口元がベタつき胃もたれした経験は多くの方があるかと思います。これは脂肪の融点が高く口どけが悪いためにおこるのです。だから融点が低いほうがよいと言われているのです。

昨年、畜産研究者の話しを聞いたとき、牛肉のおいしさの要因としてオレイン酸が関係しているが、マズさの要因としてリノール酸が関係している。といった内容を発表していた。

リノール酸は不飽和脂肪酸の一種なので、リノール酸が多いと融点は下がるはずです。
それがマズさの原因だとすれば、ある程度の融点の低い牛肉はうまいが、融点が低すぎると逆にうまく感じないということになるのかも知れない。

実際に、サシが多く入った見た目はすごい肉なのに、食べてみると意外と味がしないということがある。まさにこういうことなのかも知れない。私がよくいう格付けは見た目の評価「ものさし」であっておいしさはあまり関係しないということだ。

おそらく飼料が大きく影響していることは間違いなさそうだが、このあたりは消費者の知らない世界だし、買う側からすればどうでもいいことなのかも知れない。安くておいしければどのような過程で作られていようが関心ないのが実際のところだろうと思う。

でも、これだけは知っていてほしい。牛や豚、鶏などの経済動物は人間がコントロールして育てているということを。だから過剰なまでにサシを入れる肥育方法に私は賛成できないのです。

いつのまにか牛の話しになってしまったが、次回の愛農ナチュラルポークは、5月14日に3頭入荷します。そのうちウデ1頭分(2本)はハムに、バラは半頭分(1枚)ベーコンにします。味の検証はすんでいるのですが販売するかどうかは未定です。わくわく定期便()の会員様には試食していただく予定ですのでお楽しみに。

さらに、ロース&バラ(半頭分)は骨付きのまま駒沢のイルジョットへ。こちらは高橋シェフが熟成させるのでメニューに載るのは1ヵ月後かな。モモ肉は京都のクレメンティアへ。そして肩ロースはきたやま南山。さらにロースやバラ、ウデはサルティンボッカへ。
まだまだありますが店名はちょっと・・・という店もたくさんありますので。
もちろん近江牛.com()でも販売します。

 

 

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