*

和牛のおいしさは、味・香り・食感の3つで決まる

公開日: : 2011/10/17 牧場・生産者

_N7K1679.JPG

和牛には甘くて脂っぽい香りがある。

これを「和牛香」と呼んでいるのだが、
牛肉の美味しさは「味」「香り」「食感」の3つの要素から成り立っている。

ただ、本来ならばこの3つは別々に考えなければいけないことなのだが
味・香り・食感を合わせて「美味しい」と表現することが多い。

では、実際にどのような牛肉がおいしいのかと言えば
「香り」だけの評価だと、BMSが高ければ高いほど脂が多くなるので
優れているということになる。

いわゆる「サシ」というやつだ。

たしかに「目で食べる」と言われるぐらい
サシがキレイに入った肉はおいしそうに見える。

実際に、とろけるような食感で感動された方も多いだろう。
しかし、食べ進むにつれ重くなり、そのうち胃もたれして
しばらく肉はいいや、なんて経験をした方も少なくないはずだ。

現実には、格付けが牛肉の評価ということになるので
この時点では、味は評価対象外となる。

仮に味の評価が加味されるとすれば、
アミノ酸が含まれる赤身部分が優位なので
サシ(香り)とは逆にBMSが低いほうが良いということになる。

ちなみに、BMSとは、霜降り度合いで、
1~12で評価され、数字が上がるほどサシ(霜降り)が多くなる。

要はバランスだと思うのだが、そう考えると1~12の真ん中あたり、
BMS5~7が美味しい牛肉だということになる。

もちろん、味覚は個人差によって違うので一概には言えないが、
「味」「香り」「食感」の3つからどれを優先するのかで選ぶ肉も変わってくる。

私自身は、BMS3あたりのサシが少ない牛肉が好みだから
どうしてもこのクラスの近江牛を中心に仕入れてしまう。

A4クラスでもモモやカタウデは赤身系なのでいいが
ロース系はくどくて食べられない。

こういう理由もあって、生産者を限定して仕入れているのだが
そのために、出来る限り赤身の肉になるように飼育することを
お願いしている。

つまりは、A3やA4で十分おいしいので
無理してA5の牛をつくらないでほしいということだ。

生産者にとっては、酷なことかもしれないが
採算のとれる価格で買うことで支えたいと思う。

このあたりは、力不足でできていないのだが
適正価格で取引できることが本当の意味での「共働」だと思っている。

まだまだ、霜降り信仰が根強い日本の牛肉事情だが
格付けに関係なく、安定した価格での取引ができる体制を作っていきたい。

記事が気に入ったらシェアをしてね

  • twitter
  • facebook
  • google+
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

岡山・吉田牧場のブラウンスイスの経産牛(一産)と未経産牛計2頭入荷します

(撮影:吉田全作さん) 岡山県中央の吉備高原で放牧酪農とチーズづくりを行う吉田全作さん

記事を読む

まったく新しい取り組みの結果は2年後ですが間違いなくおもしろい

新しい取り組みを始めているのですが結果は2年後。今までは生産者と私、そして料理人という流れで

記事を読む

幸せな生き方をした牛はいい肉になる

ようやくジビーフの出荷が決まりました。GW前後のと畜が可能との連絡をいただきましたが、5月1

記事を読む

ステーキ・レボリューション10月17日から全国順次ロードショー

フランスのナントにあるラ バレ ベルト牧場は、シンメンタールというスイス原産の白茶色の牛(母

記事を読む

牛飼いに必要なのは技術よりも夫婦円満なのかも

先週お肉になってくれたばかりの藤井牧場さんの近江牛ですが、久しぶりにドストライクです。こうい

記事を読む

和牛・牛肉通販 近江牛.com

https://www.omi-gyu.com
仕事の奥深さ

本日から11月、しかし一年あっという間でなんか怖いですね。同級生ですで

所作

写真は、昨夜、BRUSTAで食べた近江牛ウチヒラ。西山さんはワ

今月のジビーフも2頭入荷しています

↑ はるか 今月も2頭のジビーフが入荷してきました。「はる

→もっと見る

  • 2025年9月
     123456
    78910111213
    14151617181920
    21222324252627
    282930