レストランで学ぶ楽しさ
公開日:
:
2023/07/31
店・料理人
若かりし頃、初めてフランス料理店へ行ったとき、ホークとナイフの使い方が分からなかった。心の中で、箸を出してくれと何度も懇願した。
隣のテーブルの老夫婦がまるで手の一部のように、それはそれは器用にホークとナイフを操る。きっと海外生活が長いのか、ええとこの生まれなのだろうと勝手に思っていた。
老夫婦をチラ見しながら、背筋を伸ばして真似てみた。それからも、食べ慣れた人を見つけては真似てみた。田舎の無礼者は、レストランで最低限のマナーを学んだ。
僕にとってのレストランは、そういう学びの場でもあった。生きた勉強というのか、考え方は人それぞれだが、食べ手が育っていないから、レストランが育たない、という話をよく耳にする。
カウンターで食事するのが好きですが、ここ数年はパフォーマンスばかりが目立つ。SNSへの投稿が影響しているのでしょうね。特に食材を手のひらに乗せてるアレは、どうにも僕は好きになれない。
さて、東京の方々に、大阪でフレンチどこかないですか、とよく聞かれる。本当によく聞かれます。昨日なんか3回も聞かれました。
大阪詳しくないし、そんなに店も知らないですが、考えても考えても『SINAE/シナエ』しか出てこない。
取引先だからおすすめしているわけではなく、行けばわかるさ、ってことで、一度機会があればぜひ。
僕はフォワグラが好きじゃないので、大東シェフは、ほうき鶏のレバーでパテを作ってくれました。
関連記事
-
-
すばらしき地産地消、考え抜かれた料理に感動とともに背筋が伸びたのでした
滋賀の名産、鮒ずし。滋賀県民なら一度は口にしたことがあると思うのですが、最初に食べた鮒ずしが
-
-
「近江牛専門店さかえや」から「肉 サカエヤ」へ
この地で店舗を構えて今年の2月で20年が過ぎました。当初から20年で一区切りと決めていたので
-
-
「snow peak glamping I.K.U青山」で肉とワインのコラボ会
3月から中岡シェフを迎え、新たなスタートを切った「snow peak glamping I.
-
-
丁寧に小さな命をつなぎながら地域に根を張る素晴らしきかな『Terroir 愛と胃袋』
「愛と胃袋」・・ 最初店名を聞いたとき、どんなレストランなのかさっぱり想像がつかなかっ
- 新記事
- 肉屋としての僕の考え方
- 旧記事
- 講演