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僕と料理人の関係性について

公開日: : 2021/03/26 未分類

たまに関係の薄い人から知り合いの料理人へ肉を送ってほしいと頼まれることがあります。こういうのが一番困ります。だってその料理人の方を僕は知らないですし、そもそも関係の薄い方の頼まれごとほど面倒なことはないですからね。そういう人に限って、「新保さんからシェフに連絡してやってくれないか」と邪魔くさいことを言ってくる。

商売と割り切れる性格なら送ることもできますよ。売り上げになりますしね。でも、それではお互いのためにもなりませんし、相手の方にも失礼というものです。無難な肉を送って、新保さんの肉ってこんなものか、と思われるのも嫌ですし、やっぱり僕はその方のために悩みたいのです。

肉を売れば売上になります。その積み重ねで会社は成り立っていますが、職人や技術者のプライドってそこじゃないんですよね。僕なんか不安の中で仕事するタイプだから、料理人のことを細部まで知っておきたいのです。それでも選んだ肉で喜んでいただけるのか不安ですし、お客さんの感想も気になります。

過日のこと。

ステークアッシェのようなものを作りたいのでなにか適当に送って。(適当は=信用)

たぶん、こうするんだろうな、あーするんだろうな、という想像で肉を選ぶのですが、これは僕が料理人のことを知っているからできることなのです。

まず、うちの若い子に選ばせます。いまある肉のなかから、若い子はあか牛のスネを選びました。ミンチにするなら正解ですが、おそらく、直前に包丁で叩いて食感を重視するような刻み方をすると思われるのでスネではない。へたすれば営業中に刻むことも想定できるので、スネより繊維がほどけた肉を選ぶ必要がある。

いま出せる肉から、あか牛の肩ロースを選ぶ。ネック側を15㎝落として、そこは使わずに、次の関節から20㎝落とす。10名のお客さんがカウンターの向こうで、手切りしている姿を凝視する。(あくまで僕の想像)

数日後、うまくいったと連絡があり、もう一度送ってほしいとのこと。でも、同じ部位がない。今度はウデのクリミの部分をスネを避けてカット。

と、こんな感じで料理人の知恵袋になれればと毎回悩みながらやってます。そのためには、料理人のことを知らないと悩めないのです。

だから、知らない料理人に肉を送るほど怖いことはない。

さて、ステークアッシェをイメージしたけど、もしかしたらステーキみたいに焼くのかな。とか、いろんなことを想像するのも楽しい。

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