感動のブルスタ
公開日:
:
2020/03/03
イベント

中目黒にブルスタという店がある。料理も出すがワインバー的な扱いだろうか。店主の西山さんが選ぶワインは定評がある。そんな西山さんとは5年か6年かの付き合いになるが、ブルスタは取引先ではない。
数ヶ月前のこと。僕から西山さんにイベントやろうと持ちかけた。西山さんから、いつか僕が手当てした肉を使ってみたい、それを目標のひとつにしていると聞かされたことがある。大袈裟だなと思ったが、どうやら本気だということが後に分かった。

なぜ西山さんにイベントしようと持ちかけたのか、もちろん理由はある。ちょっと長くなり本文と大きくズレてしまうので何かの機会に。ということで、僕と西山さん、そしてここにワイナリー和泉屋の新井さんが加わった。

まず僕からコースの流れと料理を想定しながら肉を提案した。ほうき鶏、愛農ポーク、豚の血、近江牛のトリッパ、ジビーフ。次に西山さんが料理を決めた。最後に新井さんがワインを選ぶという順番だ。

メニューはこんな感じ。

ほうき鶏胸肉のサラダ
ワインは、ミレジメ・ブリュット・レセルバ 2016 パゴ・デ・タルシス

愛農ナチュラルポークのハムと自家製リコッタチーズ
テンテヌブロ・ブランコ 2017 テンテヌブロ


サングイナッチョ (豚の血のソーセージ)
タレイア 2016 カステル・デンクス

近江牛トリッパのサフラン煮込み
ディド・ラ・ソルシオン・ロサ 2016 ベヌス・ラ・ウニベ
トリッパの下処理は大変なので今回はサカエヤが引き受けた。新鮮なトリッパは皮が剥きやすいのだが、冷凍したものや鮮度が落ちたものは剥きにくい。熱湯で皮をふやかしてからスプーンで剥いていくのだが大変な作業なのだ。黒というか灰色のトリッパを真っ白にしていくのだが、作業の割には食べるのは一瞬(笑)

ジビーフのラグーのリガトーニ
ラス・ウバス・デ・ラ・イラ・ガルナッチャ 2016
ダニエル・ゴメス・ヒメネス・ランディ

ジビーフのタリアータ
カベルネ・ソーヴィニヨン・岩穴発酵槽使用・未使用 2016 カステル・デンクス

今回のメインはジビーフを選んだ。いや、ジビーフしかないと思った。じつは、不安で仕方がなかった。西山さんには失礼だが、内心イヤヒヤしていたのだ。西山さんも眠れない日が続いたという。新井さんと3人で事前の打ち合わせから試食会も行った。それでも不安は取り除けなかった。僕にできることは、ジビーフを西山さん用に仕上げること。フライパンしかないので、水分をある程度抜いて、肉汁がでないように手当てした。結果、もう少し攻めた焼き方でもいいかなと思ったが、ジビーフの良さが前面にでていてすばらしかった。目をつぶると様似の牧草地が浮かんだ。お見事!

ジビーフすね肉の煮込み
リュエ・デュ・ソルビエ・ドゥミ・セック A・ルヴァスール

最後、締めのあいさつで西山さんが泣いた。父親はコックだったそうだ。だから自身もコックに憧れた。しかし、周りからはワインの人と呼ばれ続けた。いつかはシェフと呼ばれたい。そんな思いが交錯しながらの今回のイベントだった。思いが溢れだし西山さんは泣いた。
料理の余韻に包まれながら6時に目が覚めた。できるなら今日も食べたい。そんなことを思う料理ってなかなかない。西山さん曰く、いまの環境では思うような料理はできない。なのでいつかは移転したいと。そのときは僕の肉を使ってもらえるのかな(笑)いや、使ってもらえるように僕もがんばらないと。

西山シェフ、ありがとうございました!
関連記事
-
-
肉Meets in ル・クロ・イグレック / Le Clos Y
2013年12月12日、ちょうど1年前になりますが大阪の有名フレンチ「ル・クロ」が本場パリに
-
-
サブール・ド・ラ・メールでランチ交流会
当初は5~6人で伺う予定だったサブール・ド・ラ・メールのランチ会。あれよあれよと参加
-
-
ワイナリー和泉屋×サンパ×サカエヤのコラボは激しくシェフの肉攻に全員ノックアウトくらったのでした
ワイナリー和泉屋×サンパ×サカエヤ まずは、メニューから。 ・アミューズ オ
-
-
4th 肉Meets at COOK&DAINE HAYAMA大盛況で終了
5月18日、十勝から高知からと、まさに全国各地から葉山に集まっていただき、「4th 肉Mee
-
-
肉Meets × 豚肉会議 in イルジョット
27回目の肉Meetsは、牛肉ではなく初の豚肉尽くしとなりました。牛肉を生業にしている私にと
- 新記事
- お客様の声から
- 旧記事
- 代官山蜜香と愛農ポークのコラボレーション


















