藤井牧場さんから16歳のお母さん牛

肉塾の滋賀研修で藤井牧場さんへ行ったときに出荷前のお母さん牛に出会った。なんと16歳だ。藤井さんもまたBSEで人生を狂わされた一人だ。藤井さんは2005年にホルスタインや交雑種の肥育から近江牛のなかでも但馬系の繁殖肥育一貫経営に切り替えた。僕が知り合ったのはちょうどこの頃だった。
ご夫婦ともに無口を通り越して何もしゃべらなかった。なので繁殖肥育一貫の先輩農家からはバカにされ続けてきた。当時の僕はトレーサビリティの仕組みを作るために県内の農家を一件づつ回っていた。県内の農家の方とたくさん交流したが、いまも親しく付き合っているのは藤井さん含め数件だけだ。
藤井さんが繁殖肥育一貫に切り替えて最初に導入した雌牛。それが今回肉になってくれた「いとふく」だ。たくさんの子を産み藤井牧場を支えてくれた。骨は細くなり肉は薄い。なので通常なら半年ほど再肥育をするのだが、僕は必要ないと判断した。なのでサシはない。格付けはB1-BMS2という見向きもされない結果だ。数年前なら廃棄かペットフードだろう。僕はこういう肉に価値をつけたい。おいしくしたい。だから同じ価値観を持ってるシェフに届けたい。
写真はリブとサーロインですが脂がないのでふにゃふにゃです。僕にどこまでおいしくできるか、、、ヒレは2本で4.8kgという小ささです。正味2.0kgくらいしかとれないでしょう。肉好きの方はこういう肉を食べて感じてほしいです。まずはヒレですが、きっと柔らかくないだろうな。ブリアンツァで食事する予定がある方はぜひご指名ください。ロースは熟成させます。
関連記事
-
-
岡山・吉田牧場のブラウンスイスの経産牛(一産)と未経産牛計2頭入荷します
(撮影:吉田全作さん) 岡山県中央の吉備高原で放牧酪農とチーズづくりを行う吉田全作さん
-
-
生産者×肉屋×料理人
豚の頭を解体するLe14eの茂野シェフ。いやぁー驚きました。パリでの修行時代に6年だったか7
-
-
L’asse村山シェフのジビーフのネックを使った煮込み料理は驚きの味だった
料理人のみなさんと様似の駒谷牧場を訪ねたのが昨年の6月でした。ジビーフたちが草を育む大自然を
-
-
生産者を訪ね回るシェフの姿に意気込みを感じました
インターネットで情報発信していると、全国いろんなところからお声がけいただく。BtoBの見積り
-
-
枝肉一頭を売り切るために技術が必要
和牛を一頭仕入れしていると好むと好まざるとに関わらずサシが多いところもあれば赤身が多いところ
- 新記事
- 本日よりセジールの予約がはじまりました
- 旧記事
- あぁ、あか牛か


















