*

おいしくするのは執念

公開日: : 2019/06/05 雑記

携帯電話が鳴ると、なんとなく誰だかわかる。今朝、10時に携帯電話が鳴った。中島さん(際コーポレーション)だなと思ったら、やっぱりそうだった。ほぼ毎日電話で話す。たまに会って話すが、最近は肉の話ばかり。中島さんほどの地位になっても現場に入り、肉を触り、僕を質問攻めにする姿勢は奇人変人のなにものでもない。経営者でもありプレイヤーでもある。商売人はこうでなきゃお客様の気持ちなんか分からない。すごい人だわ。

中島さんが以前、僕にこんなことを言った。「新保さんの肉はジビーフであれ近江牛であれ新保さんの肉になるんだよな」

肉を育てる、なんて表現をするとカッコつけた言い方でちょっとイヤですが、例えば近江牛。滋賀で食事すればどこもかしこも近江牛だらけです。観光客もせっかく滋賀に来たんだからと近江牛を食べる。特別おいしくなくてもいい。滋賀で近江牛を食べたという記念になればいい。実際、近江牛という冠だけでどこで食べてもそれほど変わらない。それはなにも滋賀だけの話じゃない。

僕が扱う近江牛はなにも特別なものではありません。どちらかと言えばトップ格付けから外れたものを扱うようにしている。その方が手当てしやすく、手をかけてやればやるほどおいしくなってくれるからだ。

セリで購買するので条件はみな同じ。だったら僕から買う必要はないじゃないか。でもね、僕が手当てした肉はあきらかに味が違う。僕は問屋でもなければ卸屋でもない。経営者としてはまったくダメだが、肉をおいしくすることに関しては執念がある。

妬まれることなんて日常茶飯事。裏切られたことや苦労はすべて財産になった。だからおいしくすることは僕の執念。

発送には、佐川とヤマトを使う。郵便局のトラックはダイハツのHIJETで揺れと冷えがよくない。佐川のトラックはISUZUのELF、ヤマトのトラックは日野のデュトロ。肉によって配送業者を変える。

新保さんは東京に店を出さないのですか。とよく聞かれる。ビジネスが好きじゃないし多店舗展開も性にあわない。だいたいそんな能力もない。

肉をおいしくする。そこにすべてを注ぎます。

写真は、昨夜開催されたうち津さんとのコラボ。

前回、静岡の成生さんで経験しているので、カイノミはマストとして、愛農ポークと近江牛しゃぶしゃぶ、ホソを選んだ。若干の課題はあったもののすばらしかった。次回も決定しているので、そのときはハツやレバー、タンもやりたい。

 

記事が気に入ったらシェアをしてね

  • twitter
  • facebook
  • google+
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

商品の背景にあるもの

スキレットで作った鶏肉のトマトクリーム煮 鶏肉は店舗で販売している鳥取県の大山どりです。

記事を読む

「おいしさ」について

滋賀県で近江牛のおいしい店はどこですか? とにかくよく聞かれる。 当店の近江牛が

記事を読む

世田谷に隠れ家的な場所を発見、そこで食べるDABが絶品なのだ

ありがたいことに、全国各地からお取引のご依頼をいただくことが年々多くなってきている。よほどの

記事を読む

ビストロを30年続けるためには

土日と金沢へ行ってきまして、名前だけは聞いていた倫敦屋のマスター戸田さんと初対面。お決まりの

記事を読む

高騰しているのは牛肉だけではなく内臓も同じくで上質な内臓を食べる機会が少なくなる

素牛不足から子牛価格が高騰し、当然ながら枝肉価格も高騰で小売値を上げざる得ない状況が続いてい

記事を読む

和牛・牛肉通販 近江牛.com

https://www.omi-gyu.com
2020年ありがとうございました

本日をもって2020年の仕事納めとさせていただきます。 大変

肉は技術ではなく心で切る

技術は教えられても肝心なのは心だと思うのです。イズムとか流儀と

no image
チェンチにてブラウンスイス牛を食す会

6月に京都荒神口のDroitにて開催されたブラウンスイス牛を食す会。料

→もっと見る

  • 2021年1月
     12
    3456789
    10111213141516
    17181920212223
    24252627282930
    31