*

肉を触り肉を捌いて

公開日: : 2019/03/18 コラム

和牛は雌がよい。血統は但馬系がよい。枝肉の右側より左側がよい。丁稚のころから聞かされてきたことだが実際はどうなのか?

毎日のように牧場へ通い牛を観察して、その牛の肉を触り、ようやく見えてきたことがある。生産者はストレスなく健康的に育ててると言うけど果たしてホントなのか?生産者の自己満足じゃないのか。それとも牛に聞いたのか。内臓や肉を見れば分かることがある。

丁稚のころはいまのように格付けがなかったのでA5に熱心な方もいなかった。特選、極上、特上、上、並、を頭につけて販売していた記憶があるが、そこを深堀する人もいなかった。

ここ数年、銘柄より生産者の名前を付けた個人ブランドがトレンドのようだ。山本さんが育てた牛なら山本牛だ。独自の配合飼料で差別化したり、あえて格付けにこだわらないことで価値観を見出したり、戦略的な若手の生産者も増えてきた。営業まで積極的にこなすから問屋はたまったもんじゃない。餅は餅屋に任せればいい。

どちらにしても個人ブランドが成り立つには買い支えるネットワークやコミニュティが必要だ。しかし、生産者が勘違いして欲を出した時点で終わる。築城10年落城1年。肝に銘じたい。

藤井牧場さんの経産牛139ヶ月齢。藤井さんは何も語らないが肉がモノをいう。ココロに沁みる肉はきっとストレスなく育ったに違いない。

 

記事が気に入ったらシェアをしてね

  • twitter
  • facebook
  • google+
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

自分の歌い方で歌え

テレビも見ないし音楽も聞かないのですが、桑田佳祐ひとり紅白歌合戦は毎年楽しみにしているのです。だって

記事を読む

枝肉から捌く醍醐味こそ肉屋のおもしろさ

我々の業界で言うところの「捌き」とは、枝肉から大分割して、さらに中分割したロースやウデ、バラ

記事を読む

この道40年、肉屋一筋迷いなし

僕は精肉店という仕事を生業にしています。一般的には肉屋と言ったほうがわかりや

記事を読む

健康な育て方=おいしい牛肉だとは限らない

精肉の仕事をしてもうすぐ40年になります。不器用ながらも一つのことをやり続ければなんとかなる

記事を読む

生鮮3品の存続は若者が憧れるような職業にならないと

僕が修行していた頃は、店内で枝肉を捌いている光景が普通だった。お客さんと会話しながらリズミカ

記事を読む

和牛・牛肉通販 近江牛.com

https://www.omi-gyu.com
仕事の奥深さ

本日から11月、しかし一年あっという間でなんか怖いですね。同級生ですで

所作

写真は、昨夜、BRUSTAで食べた近江牛ウチヒラ。西山さんはワ

今月のジビーフも2頭入荷しています

↑ はるか 今月も2頭のジビーフが入荷してきました。「はる

→もっと見る

  • 2025年6月
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    2930