*

サルメリア69×セジール コラボ会

公開日: : 2018/09/19 イベント

新町さんの生ハムとサラミは機械(スライサー)で切るだけだからなんの問題もない。もしかすると僕でも私でもできるんじゃないかと思っている人がいるかも知れない。じつはこれが奥深い。

この日のイベントは打ち合わせなしのぶっつけ本番。でも大丈夫!裏付ける自信があった。

薄くスライスしていることが技術だと思われがちだか、新町さんはハム、サラミの種類、個体差、部位、いつ食べるのかを考えてスライスしている。よーく見ていると1枚スライスするのに手動で3回すーっすーっすーっとリズムをとっている。

さらにハムの真ん中、ヒレで言うならシャトーブリアンしか使っていない。切り口は酸化しているから使わないのだと推測できるが、分かっていても原価率を考えるとなかなかできないことだ。気が狂うほど味にこだわっているとしか考えられない。

でてきた生ハムやサラミを見て不思議に思うことがあった。いくらスライサーでスライスしたからと言ってもここまで薄く淀みなくスライスできるはずがない。肉のスライサーもハムのスライサーも厚みを調節する目盛りがついている。しかしだ、いくら目盛りを調節してスライスしても、肉もハムも個体差があり、身が締まったものもあれば緩いものもある。つまり調節通りにはいかないのだ。だからしゃぶしゃぶは手入れしていない古いスライサーではうまくスライスできない。

僕は肉を切るスライサーを改造しているが、もしかしたら新町さんもそうなのかも知れない。いや、きっとそうだと思う。

例えばすき焼き用の肉。僕がスライスするのと若い子(サカエヤのスタッフ)がスライスするのとでは味が違うとよく言われる。お客さんによっては、今回の肉は新保さんが切ったんじゃないでしょう、なんて言われたこともある。肉屋の技術は、骨を外したり、塊の肉をカットすることに目がいきがちだか、じつはスライスこそ花形なのです。

昨夜、新町さんの生ハムを食べたうちの若い子が、3年間豚肉をスライスしてきたけど、どうにもうまくいかないと話していた。

ようやく牛のシッポを捕まえたようだ。どんな仕事でもそうだが3年はかかる。1年や2年でシッポを掴んだ気でいる子がいるが、牛のシッポはそんなに簡単には掴ませてくれない。背中に乗せてもらえるようになるには一生求愛し続けなければならない。

そんな僕もいまだ背中に乗れず。たまに乗れても明日も乗れるとは限らない。だから毎日同じことを一生懸命繰り返すしかないのだ。それが近道だから。

 

記事が気に入ったらシェアをしてね

  • twitter
  • facebook
  • google+
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

まぐろと牛肉イルジョットにて

6月5日、まぐろの仲買人、フジタ水産の藤田さんと新橋のしみずさんで鮨を食べた。写真がモノクロ

記事を読む

肉Meets in ル・ルビーは熟成肉とヴァンナチュールで大盛況でした

今回の集合写真も私の顔は真っ赤です(笑) 北九州小倉のル・ルビーさんで開催した

記事を読む

ブリアンツァ奥野シェフによる肉Meetsは超豪華な布陣で圧巻の食事会だった

六本木ヒルズのラ・ブリアンツァ奥野シェフに日本ガストロノミー協会のキッチンで肉焼きますか?!

記事を読む

肉Meets in エッサンシエル大東シェフのすばらしい料理を堪能

肉Meets in エッサンシエルは女性陣をうっとりさせる大東シェフの料理に完全にやられてし

記事を読む

食農連携のあり方について語り合うランチ交流+農家見学 in 舞鶴

平かしわを捌くお母さんたち。 舞鶴で本格フレンチを味わいながら、食農連携のあり

記事を読む

和牛・牛肉通販 近江牛.com

https://www.omi-gyu.com
仕事の奥深さ

本日から11月、しかし一年あっという間でなんか怖いですね。同級生ですで

所作

写真は、昨夜、BRUSTAで食べた近江牛ウチヒラ。西山さんはワ

今月のジビーフも2頭入荷しています

↑ はるか 今月も2頭のジビーフが入荷してきました。「はる

→もっと見る

  • 2025年12月
     123456
    78910111213
    14151617181920
    21222324252627
    28293031