経産牛の再肥育についていろいろ思うこと
公開日:
:
2018/05/01
近江牛

経産牛、つまり子供を産んだお母さん牛のことですが肉屋レベルでの扱いならおそらく全国でもかなり積極的な方だと思います。種が着かなくなったお母さん牛は淘汰される運命ですが、食肉にする場合は6か月~12か月かけて再肥育(飼い直し)します。しかし、再肥育はかなり難しく、これまで粗飼料主体の粗食に耐えてきたお母さん牛に、栄養価たっぷりの配合飼料を与えることで、体調に異変をおこすことがあります。骨軟骨症で足が曲がったり、食欲が落ちたり等々。
僕は再肥育していないお母さん牛が好きなのですが、商品化することを考えると、肉量がとれないのでこれまた難しいのです。再肥育するしないは繁殖農家さんの判断ですが、肉と骨の形状からいろいろ学ぶことができます。
先月セリで購入した178ヶ月の経産牛(近江牛/山形牧場)は再肥育なしですが、肉に張りがあり骨にも異常はありませんでした。和牛なので見た目美しくサシはありますが、すき焼きで食べると物足りないです。ただ、脂が苦手な方には見た目とは真逆の満足感が得られるかと思います。5/3より店頭で販売します。
関連記事
-
-
肉屋としての僕の考え方
和牛の最高峰は言わずと知れた「A5」ですが、A5のなかでも5段階あって8〜12の数字で区別されます。
-
-
認定近江牛について私の考え方
写真は、見た目は牛肉ですが、牛タンです。めちゃくちゃ需要が多いのですが牛は二枚舌じゃないので
-
-
目利きとは、肉屋の仕事とは。
ライターさんにこんなことを質問されました。「新保さんは、生産者を限定してお肉を選んで
-
-
牛のストーリーとともに価値ある牛肉を
この肉に価値を見いだせる人ってどれくらいいるのだろうか。 215ヶ月齢の経産牛、しかも
-
-
ジビーフと近江牛のカイノミ食べ比べはあまりにも個性が違いすぎて改めて驚いたのでした
手前(まるさん牧場の近江牛)、奥(駒谷牧場のジビーフ)。部位はカイノミで


















