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牛を屠畜して解体する

公開日: : 2018/02/11 コラム

牛の眉間にノッキングガンを撃ちつける。ドンっという鈍い音とともに牛は気絶して倒れた。すぐに首を切り放血させる。対面にいたもう一人の職人は一瞬にして顔の皮を剥ぎ取る。足や頭を切断し、全体の皮を剥ぎ、内臓を掻き出す。背割りして洗浄された枝肉はいつもセリで見る形だ。ここが現実と非現実の分かれ目のような気がする。解体の「解」は、「角」「刀」「牛」を組み合わせてできている。昔は包丁1本で解体していたが、いまは機械に委ねる場面が多い。未来の解体はロボットがやるかも知れない。

今日は早朝から東京の料理人みなさまと屠畜、解体の見学をしたのだが、現場をみて感じることは「大切に扱う」「おいしくする」この2つしかない。それが私の役割だと強く感じる。1頭の牛を解体して枝肉にするのにこの日は27名が関わっていた。牧場で牛を見る感覚とはまったく違う。目の前に現実がある。これが食という世界の入り口だと心が震えた。

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