*

骨を抜いた牛肉はすぐに酸化するので重要なのは保存方法です。

公開日: : 2017/07/07 コラム

牛肉も豚肉もどうすればおいしくなってくれるのかと日々そればかり考えていますが、熟成もその1つです。ただ、ウエットエージングだけは僕のなかではおいしくなってくれない利便性を優先した保存方法だと思っています。昨日、ステーキ用として近江牛のマル(シンタマとも呼びます)を小割していたのですが、これが思いのほか赤身が詰まったいいお肉だったのです。シェフによっては赤身が好きな方もいますし、サシが入った肉が好きな方もいます。熟成期間も30日、40日、50日、60日と香りの強さによって好みが分かれますし、逆にフレッシュが好きな方もいます。フレッシュが好きな方は、骨付きのまま自分で育てる方もいます。最初は味が乗っていないので物足りなさを感じますが日増しにおいしくなっていくのでおもしろいのです。ただ、そのあたりを理解というか知っている方でないと扱いは難しいですね。

ところでこのマル(シンタマ)の中心部のお肉をマルシンとかシンシンと呼びますが、触った瞬間に指先にしっくりとくる上物で、これはぜったいうまいと確信できる肉質でした。こうなると自分で食べたくなる衝動にかられるのですが、やっぱり好きなシェフに届けたいし、それを食べたお客様に喜んでもらいたい。もちろんだれかれにと預けたくないので、シェフを特定して仕上げていくのですが、すぐに発送しない場合の問題点は「保存方法」です。同じものはふたつとないので保存は重要です。ほとんどの方は真空パックにすると思いますが、僕はやりません。正確には肉によっては真空パックにする場合もありますが、旨みが抜けるので、できれば避けたいところです。僕がやっている保存方法はいくつか方法があるのですが、このマルシンはチチカブ(乳房)を巻き付け、あとはナイショですがタンパク質がアミノ酸に変換されて3日後には肉はしっとりとよりおいしくなっているはずです。

記事が気に入ったらシェアをしてね

  • twitter
  • facebook
  • google+
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

面倒くさい人の無理ですは自信の裏返し

経験の少ないスタッフの「できません」「無理です」と職人のそれとはまったくの別物です。職人とい

記事を読む

久しぶりに八田さんの枝肉を購入し、懐かしい写真もでてきたり、肉屋の仕事について少しだけ振りかえってみました

写真の断捨離をしていたら2010年2月に八田さんの牛舎を訪ねたときの写真を発見。先日のセリで

記事を読む

生食について思うこといろいろ

定期的にアップしているのですが、外食先でタルタルを見かけることが本当に多くなりました。ブーム

記事を読む

仕事とのは相性、私はいまのところ良好なようです

狙って買い付けたA3の近江牛。予想通りモモは赤身が強くてしめしめとほくそ笑んだのですが、ロン

記事を読む

シェフの好みに合わせた牛肉

シェフとやり取りしながら肉を手当てしていくのですが、毎回悩みます。水分量、脂と赤身の比率、フ

記事を読む

和牛・牛肉通販 近江牛.com

https://www.omi-gyu.com
仕事の奥深さ

本日から11月、しかし一年あっという間でなんか怖いですね。同級生ですで

所作

写真は、昨夜、BRUSTAで食べた近江牛ウチヒラ。西山さんはワ

今月のジビーフも2頭入荷しています

↑ はるか 今月も2頭のジビーフが入荷してきました。「はる

→もっと見る

  • 2025年10月
     1234
    567891011
    12131415161718
    19202122232425
    262728293031