*

ブランドや格付け、生産者名で肉が売れる時代は終わりに近づいている

公開日: : 2017/10/20 コラム

うちの店で格付けを気にしながら買い物されるお客様は僕が知ってる限りいないと思う。商品プレートに表記もしていないし、だいたいが僕は数字だけの評価に意味を感じていない。肝心なのはおいしいかおいしくないかそれだけ。もちろんその牛が生まれ育った環境も重要だけど、肉屋という職業の僕としては、目の前の肉をどうすればおいしくできるのか、そこにしか興味がない。
 
昨日、東京から友人が遊びに来たのだが、サシが激しく入ったサーロインを買って帰られた。ヨーロッパでの生活が長い方なので本来は赤身が好みだと思うのだが、前回来られたときに買って帰ったサーロインが恐ろしく旨かったということでリピートされた。友人は生産者がだれとかエサは何かとか、もちろん格付けには一切興味がない。ショーケースに陳列された肉に興味があり、予想以上においしかったということだと思うのです。そこにはサカエヤへの信頼があり僕に対しての信用があり、そしておいしかったという結果がすべてだと思うのです。
 
ブランドや格付け、生産者名で肉が売れる時代は終わりに近づいていると思う。少なくとも僕の周りでは。
 
写真は近江牛のリブロース。ステーキは分厚いほうがぜったいうまい。一般の方の購入量はだいたい1枚200g。この判の大きさで200gをカットすればステーキではなく焼肉になってしまう。どうすれば200gでおいしく食べてもらえるのかを真剣に考えればこういう切り方になる。

記事が気に入ったらシェアをしてね

  • twitter
  • facebook
  • google+
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

うに+肉に思う、牛肉の生食について

「雲丹+肉」が流行っているのか、検索するとたくさんヒットする。(面倒なので「う肉」で省略)私

記事を読む

牛肉と酸について

さて、今日はタイトルにもありますが、牛肉と酸についてです。何年か前にあるシェフから「良い黒毛

記事を読む

牛を屠畜して解体する

牛の眉間にノッキングガンを撃ちつける。ドンっという鈍い音とともに牛は気絶して倒れた。すぐに首

記事を読む

生食について思うこといろいろ

定期的にアップしているのですが、外食先でタルタルを見かけることが本当に多くなりました。ブーム

記事を読む

近江牛だからおいしいとは限らない

私が幼い頃から慣れ親しんできた近江牛。だからこそあえて言わせてもらうと、近江牛だからおいしい

記事を読む

和牛・牛肉通販 近江牛.com

https://www.omi-gyu.com
仕事の奥深さ

本日から11月、しかし一年あっという間でなんか怖いですね。同級生ですで

所作

写真は、昨夜、BRUSTAで食べた近江牛ウチヒラ。西山さんはワ

今月のジビーフも2頭入荷しています

↑ はるか 今月も2頭のジビーフが入荷してきました。「はる

→もっと見る

  • 2025年11月
     1
    2345678
    9101112131415
    16171819202122
    23242526272829
    30