*

「つながり」から目隠しで枝肉を買う

公開日: : 2015/10/25 近江牛, 格付け

IMG_9728

健康な牛とはなにか?… たまにこういうことを聞かれることがあります。病気をせずに育ち、無事に出荷ができて枝肉になったときに瑕疵がない牛。生産者の端くれ的な回答をすればこんな感じでしょうか。牛が食べているものが肉の味となり、しいては私たちの健康にもつながります。あたりまえのことですが、じゃーどうすればいいのかって話です。一家に一頭ってわけにはいきませんからね。肉屋は生産者を信じ、消費者は肉屋を信じ、つまり信じられる店や人とつながることが安全や安心やおいしさに近しいことだと思うのです。

近江牛のセリは週2回、13時から始まります。セリ前に購買者が枝肉がズラズラ~っと吊り下げられた準備室で下見をします。いわゆる目利きです。お目当ての枝肉をチェックして競り合うわけですが、私の場合は、知り合いの生産者の枝肉しか買わないので、下見も15分程度で終わってしまいます。先週もそんな感じでした。

一頭目を落札して、二頭目も・・・ところが、二頭目の枝肉がとんでもなく高値だったので買えなかったのです。しかしこの日はどうしても二頭買わなければいけなくて、でも、この二頭しか下見をしていなかったんですね。こうなると枝肉を見ないで買うことになります。となると、生産者の「人」で買うしかありません。親しくしている生産者であれば枝肉を見なくても、だいたいの想像がつきますし、生産環境も知っているので安心です。

で、どうなったのかと言いますと、格付けA3でBMS4という枝肉を落札したのです。もちろん親しくしている生産者の枝肉です。格付け評価から赤身を想像していたのですが、本日ロースをカットしたらとんでもなくサシが入っていて驚きました。格付けって本当にアテになりません。しかし、内容(赤身とか霜降りとか)はどうでもよくて、結局は信じられる生産者とつながっているからこそこういった冒険もできるのだと思うのです。

外食においても同じだと思うのです。店選びは味や価格など選ぶ基準が違うとは思いますが、信用できる店や人と「つながる」ことが大事だと思います。口が似たような人とつながれば早々失敗はしないのではないでしょうか。

 

記事が気に入ったらシェアをしてね

  • twitter
  • facebook
  • google+
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

16産の「きこ2」は硬くておいしかった

お盆期間中は、1年でベスト3に入る繁忙期なわけですが友人知人の動向をFacebookでみると

記事を読む

歯ごたえを感じながら甘みと香りを纏ったソトヒラがおいしく仕上がりました

昨年の11月に骨付きの状態で冷蔵庫に吊るしておいたソトヒラですが、これが驚くほどおいしくなっ

記事を読む

サシだ赤身だと言ってもなかなか奥が深いものなのです

長浜農業高校が出荷した近江牛(A4)ですが、最近は繁殖もしているようで凄いですね。そのまま畜

記事を読む

あけましておめでとうございます

本日1月2日より仕事始めです。毎年のことですが元旦はどこにも出かけず家にこもってテレビ三昧。体を動か

記事を読む

去勢は吊るし30日で雌は40~50日がベストかな

クレメンティア田淵シェフによる桜の枝による燻製。こういうのをセンスと言うんでしょうね。肉は木

記事を読む

和牛・牛肉通販 近江牛.com

https://www.omi-gyu.com
仕事の奥深さ

本日から11月、しかし一年あっという間でなんか怖いですね。同級生ですで

所作

写真は、昨夜、BRUSTAで食べた近江牛ウチヒラ。西山さんはワ

今月のジビーフも2頭入荷しています

↑ はるか 今月も2頭のジビーフが入荷してきました。「はる

→もっと見る

  • 2025年10月
     1234
    567891011
    12131415161718
    19202122232425
    262728293031