2014年すべての人に感謝してすべての営業を終了させていただきます
公開日:
        
        :
        2014/12/31        
        雑記                
      

25日を過ぎるとあっという間に31日… 発送のお肉を切りまくり&店頭の忙しさに栄養ドリンクがかかせない日々が続きますが、ご注文いただく7割がすき焼きのお肉なのです。さすがに毎日毎日すき焼きのお肉ばかり切り続けていると、禁断症状がではじめるんですね。2日連続すき焼きでなんとか症状が落ち着いた次第です。
お肉を切りだすとき、どうしても不揃いな形のものができてしまいます。それを集めておいて試食に回したりするのですが、昨夜食べた木下さんところのリブロースは久しぶりにおいしいすき焼きを食べた余韻に浸りまくりました。なんと気がつけば800gも食べていました。格付けはA3でサシが少なめだったのですが、それでもすき焼きで800gは過去最高です。通常であれば霜降り肉で100g、赤身肉で200gも食べれば満足です。それが800gですからどれだけおいしかったかご想像いただけるかと思います。ほんとうにおいしかった。
そうかと思うとおいしくないのもあるんですよ。これは私の責任で枝肉から骨を外すタイミング、さらに精肉にするタイミングが早すぎたり遅すぎたりするのが一番の原因なのです。もちろんそれだけではありません。冷蔵庫の温度から開閉の度合い、食べる側の問題もいろいろあります。どちらにしてもいろんな要因が重なり合って100になったとき最高においしいすき焼きが味わえるわけです。だからすき焼きは本来ハレの日に食べるものでありご馳走なのです。
忙しいことは会社としてはいいことなのですが、肉の管理をしっかりやるにはほどほどの忙しさでないと目が行き届きません。来年からは売り上げを削ってでも肉と向き合う時間を多く作っていきたいと思っています。そしていままで以上に取引先も選んでいく所存です。

企業がやってるチェーン店やオーナー不在のレストランとは今後も一線を引いて、オーナーシェフと家族ががんばっているお店と一緒にやっていきたいと思っています。もちろんオーナーはいなくても自分の店のようにがんばっているシェフも当店の取引先にはたくさんおられます。要はストレスフリーな関係が私は好きなのです。

3年前より和牛(仔牛も枝肉も)が高騰し続けています。年明けは落ち着くだろうと言われ続けて3年です。おそらく来年もこのままの状況が続くでしょう。そんななかでいかに利益を確保するかが会社の存続には重要な課題ではあります。しかしながら利益を優先しすぎて安易な考えに走ってしまうと本末転倒、欲しくもない(好みではない)枝肉を購入してストレスためながら仕事しなくてはいけません。
私の場合は、相場に関係なく懇意にしている生産者の枝肉しか買わないのでストレスとは無縁なのですが、セリ場で枝肉だけ目利きしていると交流がない生産者の枝肉でもたまに私好みのものがあります。枝肉より人を見て購買しているのでどんなに好みでも買うことはありませんが、本音は背景が見えないものは私自身が安心できないし、ましてや私が知らないものをお客様に伝えにくいということです。肉の良し悪しなら伝えられますがお客様が求めているのはプラスアルファなのです。
さて、これが今年最後のブログとなりますので、総括的に和牛相場について私が思うことを書いて終わりたいと思います。私が生産者にお願いしているのはA3を作ってほしいということ。もちろんそんなに簡単ではなく、じつはA5を作る方が簡単だったりします。どちらにしても狙ったように作れないのが肉牛です。
今年の前半は、A5の相場が低くてA4とあまり変わらない価格で推移していた時期もありました。実際に格付けは目視によるものなので担当者によってかなり隔たりがあります。だからこそセリ場での目利きがものを言うのですが、信じられるのは自分の経験と知識と目ということになります。思惑どおりいかなくてもだれかに責任転換できませんしね。
格付け制度によって枝肉が評価される限り、生産者はA5-BMS12(簡単に言うとサシがたくさん入ったいちばん良い肉という意味)を目指します。外してもA4ですから、当然ながらA3の発生率が低くなります。では、A3をA5の価格で買います。といえば生産者はどうするだろうか?
こうやって誕生したのが国産飼料だけで育った近江プレミアム牛なのです。生産者の思惑と消費者の思惑、私は双方の気持ちが理解できるいちばん近い立場にいます。生産者の気持ちと消費者の気持ち、そして牛の気持ちも考えながら関わる人すべてが幸せになれる場を作っていきたいと思っています。
ということで2014年12月31日、間もなくすべての営業が終わります。
誤字脱字の多いわけのわからないブログにお付き合いいただいたみなさま、ありがとうございました。2015年もこんな感じで好きなことを書いていきますのでどうぞよろしくお願いいたします。
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