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世界の豚肉を食べ尽くす

公開日: : 2014/05/18 イベント

私は幼いころから牛肉で育ったので、豚肉や鶏肉を自分の意志で口にしたのは30歳を超えてからなのです。20代前半、修行先の肉屋でも豚肉は扱っていたのですが食べたという記憶がまったくないのです。好きとか嫌いとかではなく当時の私は牛肉しか興味がなかったのだろう。

そんな私が高校生が育てている豚肉を一生懸命売ってるのだから人生は分からないものだ。私が思ううまい豚肉とは、「環境と作り手(育ててる人)」これに尽きると思うのです。牛肉同様、どのような環境でなにを食べて育ったのかが大切で、銘柄なんてあてにならない。このあたりも牛肉と同じで、ブランド牛だからうまいとは限らないのです。

ブランド牛でこだわりを前面に出している場合、雌牛(子供を産んでいない未経産の牛)、格付け等級(A5とか)、この2つがほとんどです。近江牛のみでいうと、B4以上に認定される「認証近江牛」という証明書を店内に張り付けてPRしている場合が多いです。

私が思うには、これらのこだわりと味はあまり関係ないということです。肉用牛は雌牛と雄牛(去勢)しかいないわけだし、格付けも格付けする人(格付け委員)によって判定がバラバラだし、なにをもっておいしさを主張するかは、作り手以上に、売り手も手間ひまかけなければ誇れるおいしさは得られないと思うのです。

だから、私は生産現場(畑や牧場など)へ足繁く通っているシェフの料理が好きなのかも知れません。実際に、私の肉を使っていただいているシェフの特徴が邪魔くさいことを一生懸命やる方ばかりですからね。昨日の記事にも書きましたが、6月17日から3日間、東西のシェフ5名が完全放牧野生牛を訪ねるツアーに北海道へ行くのですから頭が下がります。現地で飼育環境や生態系を見て、そして感じたことを料理に活かすわけですから、こういった体験はぜったいお客さんに想いとして味として伝わると思うのです。

話しを豚肉に戻しますが、三重県伊賀の愛農高校の生徒たちが育てている豚に愛農ナチュラルポークとネーミングして販売を任されているのですが、自分が名づけて販売しているから贔屓目に見るわけではなく、本当においしいのです。愛農高校の養豚部へは何度も足を運び、飼育環境からエサの管理状況まで隅から隅まで見せてもらいました。

実際、愛農ナチュラルポークを一度でも口にした人はかなりの確率でリピートされます。豚はエサによって肉質が大きく変わります。つまりおいしくすることができるのです。でも、私が思うには、もちろんエサは味に大きな影響を与えることは確かですが、ストレスによる味の変化も見逃せないと思うのです。

愛農ナチュラルポークがなぜおいしいのか、、、正直わかりません。エサも特別なものは与えていないし綿密な飼料設計もしているように思えません。

ただ、実習の一環で飼育しているだけですから頭数が少ないこともあり、動物に大敵なストレスが他の豚と比較してかなり軽減されているように思うのです。これってもしかすると人間同様に一番大事なことかも知れません。

さて、日本には、いや世界には私たちが知らない豚肉がたくさんあります。調べただけでもでるわでるわ、、、もちろん愛農ナチュラルポークが世界一おいしいなんて思っていません。好みがありますから合わない人もいて当然です。自分の好みにあった豚肉や牛肉を探すのも食通の方々にとっては楽しくておもしろいのです。

てことで、7月8日(火)にイルジョットで「肉Meets × 世界の豚肉を食べ尽くす」イベントをやります。高橋シェフが1人で料理するので5~8品の銘柄豚を揃える予定です。このイベントは競技ではなく、それぞれの豚肉の特徴を味わいファンになってもらうことが目的です。当初は、スーパーで売られている安価な輸入豚も加えようかとの声もあったのですが、そこに調理の時間をとるのはもったいないとの結論に達したため、基本は私がおいしいと思っている豚肉や気になっている豚肉だけを揃えることにしました。

現在、2ブランドの豚肉が決定していまして、愛農ナチュラルポークと沖縄の紅あぐーです。紅あぐーの生産者、喜納さんには昨年の6月にお会いしていますし、自宅で食事して泡盛で一杯やった仲ですから、真っ先にお声がけさせていただきました。本人は来られませんが私が紅あぐーの魅力もバッチリ語りたいと思います

※ 今回の肉Meetsは、一般の募集はしておりませんので予めご了承ください。

 

 

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