明日から販売 鹿児島県産の再肥育した経産牛40日間熟成肉
A4以上の近江牛はドライエージングに向いていない、つまりサシが多い肉はなにもせずにそのまま食べたほうがおいしいですよ。というのが私の経験からのまとめです。エージングすると融点が低くなるので、サシが入った肉でも食べやすくはなるのだが、これも個体差によってはくどくなります。ということもあり、A3の近江牛を主にドライエージングしているわけですが、最近困ったことがおこっているのです。
本来なら、経産牛かA2あたりの赤身肉がドライエージングには向いているのですが、近江牛の経産牛もA2も発生率が悪くて市場にでてこないのです。という裏事情もあり、できるだけ赤身が多いA3の近江牛ロースをドライエージングにして熟成肉として販売しているのです。
ところが、ここ最近のA3にはけっこうなサシが入っていて、A4でも通るような見事さなのです。本来ならA4で格付けされるところなのですが、近江牛の格付けが厳しいのかA3にランクダウンされてしまうのです。生産者からすれば残念な結果なのですが、購買者からすればラッキーなのです。とまぁ、これは一般的な流通の話しで、私としてはサシが入っているとどうにもやりにくいわけです。
通常ならA3でA4レベルのサシが入っていれば喜ぶところなのですが、こと熟成肉に関しては、サシを見る度にスタッフ全員でため息なのです。リブとサーロインを分割するためにロースの真中から包丁を入れる度にドキドキします。そしてサシが多く入っていると、後方で見守るスタッフからガッカリとした表情が背中越しに伝わるのです。
とはいうものの、現在販売中の近江牛熟成肉はかなり評判がよくて飲食店のみなさんにも好評いただいています。ただ、赤身が好みの方には少々重いようです。
ご購入いただいたお客様からもそのようなご感想を頂戴しています(→クリック)
レストランでお使いいただいている熟成肉に関しては、私がシェフの好みに合った肉を手配させていただいていることもあり、近江牛にこだわらずその都度その都度、肉の状態をみながら判断しています。
特に海外で修行を積んだシェフはサシが入った肉より赤身でドライエージングしたものを好む方が多いです。それと肉のことをよく知っているシェフが多いので私自身も話していて楽しいのです。
近江牛で良いものがあればベストなのですが、先にも書いたように発生率が悪いので、鹿児島や宮崎県の繁殖農家さんから分けてもらっている経産牛を40日間ドライエージングして使っていただいています。これがかなり旨くてシェフたちも大絶賛なのです。
正直に言いますと、近江牛熟成肉よりも他県産の経産牛熟成肉のほうがおいしいことがあります。近江牛を冠にしたショップ運営者としては軽く目まいがしそうですが、私が食べておいしいと思ったものを販売したいし、買っていただいた方にも新保がすすめてくれた肉を選んでよかったと思ってほしい。
ということで、明日で40日の熟成期間を迎える鹿児島県産の経産牛を販売開始させていただきます。ほんとうにおいしいです。
焼き方ですが、普通に焼くよりもぜひセヴェロ風の焼き方にチャレンジしてみてください(動画)
ただ、揚げるように焼くので油の跳ね返りにご注意ください。そういう私が一昨日、軽くやけどしてしまいましたが、食品の展示会でたまたま買ったマヌカ・ハニー(Manuka Honey)が役立ちました。
ちなみに、歯の痛み、口臭、胃腸の調子が悪いときなどにもマヌカハニーは有効なようです。
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