肉質、脂質、資質、すべての質を上げる
公開日:
:
2012/09/17
雑記
フランスは畜産大国で一度は行ってみたいと思っているのだが
先日出会ったmasayoさんから聞いた話では、私が想像していたものと
いくつか異なる点がある。まぁこのあたりは日本でも同じで個人の見解レベルなのだが
とりあえず行かなければ・・・。
フランスは日本と違ってすき焼きやしゃぶしゃぶはない。
フランス人が好むのはステーキだ。
焼き方は「レア」が好みらしく、「セニャン」と言うらしい。
とりあえず今は「セニャン」だけ覚えておこう。
写真は、ドライエージングした近江牛熟成肉だが
先日、某所でUS産のドライエージングビーフを食べる機会があった。
それなりにおいしかったのだが、ちょうどマーク・シャッカーの本を
読んでいたところなので、アラン・デュカスが言うような「異なる喜び」を
感じることはなかった。
マーク・シャッカーはUSビーフを量産牛と称し、あえて性質があるとすれば
まるで水道水みたいに、潤沢で安定していて、安価で平凡。
いわゆる工業製品としての牛肉だと言っている。
これに対して、アラン・デュカスは「アメリカならではだね」
そして、それこそが、アメリカのステーキを日本やイタリアのステーキと
区別するものだと答えている。
なるほど、そう考えるとたまにはUSビーフを食べてみるのも悪くない。
masayoさんが飼っているアルモリカン牛は、岩手の短角牛に
よく似ている。
短角牛の肉は赤身で歯ごたえがあるのが特徴。
アルモリカン牛も同じく赤身だ。
しかし、フランスでは評価されないと言うのだ。
なぜなら、サシが入っているからと写真を見せられたが
どこにサシが?というレベルでこれはもうお国柄としか言いようがない。
日本なら100%赤身肉、フランスでは霜降り肉
じゃー、和牛のA5あたりをみたらフランスではどう感じるのだろうか・・・
たぶん、いや、間違いなくこれは脂であって肉ではないと言うだろう。
フランスでの牛の評価は日本と同じく格付けによるものだが
肉用品種だけでも約20種あり、25等級にランク付けされている。
部位も47にわけられるらしい。
日本のようにサシ重視ではないので、霜降り度合いが高ければ高いほど低評価となり
脂肪率等級では、標準的な3が高評価となりもっとも消費者が好のむランクだそうだ。
赤身肉ブームが加速すれば、近い将来日本もそうなるかも知れない。
でも、そうなれば和牛の価値が下がり、アメリカのように量産牛が増え
牛肉の値打ちがなくなるかも知れない。
そうならないためにも、すべての「質」を上げることが重要だ。
関連記事
-
-
肉と会話しないとおいしくなってくれない
肉屋の12月はほんと嫌になるくらい忙しくてギフト需要で毎日追われまくっています。来年あたり、
-
-
霜降り信仰揺らぎ、健康志向で赤身人気
日経新聞の記事ですが、タイトルは「牛肉、霜降り信仰揺らぐ」というものだ。内容を簡略すると、格
-
-
リ・デザインで生まれ変わった商品
昨日は倉敷にある水辺のカフェ三宅商店へお邪魔した。 MAIDOMAIDO-intern
-
-
新年あけましておめでとうございます
新年、明けましておめでとうございます! 旧年中は格別のご高配を賜り、厚くお礼申しあげま
-
-
真空パック(バキュームパック)の牛肉の扱い方
牛肉の流通のほとんどはボックスミート(部位ごとに真空パックされ箱に入った状態のもの)ですが、