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経産牛

公開日: : 2023/07/09 熟成肉

僕が熟成させる肉の90%は経産牛だ。その他の肉、例えば格付けA4以上の近江牛は熟成させない。させる意味がない。写真は、宮城県産の経産牛サーロイン。うまく熟成できたときの喜びたるもの。よく働いてくれた微生物に感謝。

「経産牛が高くて、セリでも以前のような値段では買えない。サカエヤの新保のせいだ」

同業者からそんな話を聞いた。しかも滋賀ではなく他府県でのこと。僕にそんな影響力があるとも思えず、メディアの露出が多く、経産牛のことを話すので、誰かのせいにしたいのだろう。僕への妬みも多少なりともあるとは思うが。

一方で、「新保さんのおかげで、経産牛の価値が上がって、長く貢献してくれたお母さん牛に光を当ててくれてありがたい」

と言われることも少なからずあったりする。これは生産者に直接言われたので、素直に嬉しい。

肉屋は10円でも安く買いたい、生産者は10円でも高く買ってほしい。それが本音だ。僕は経産牛を熟成させて、価値で売ってるので、買い叩いたり、安いから買う、ということはしない。

市場(セリ)で経産牛を買う目的は、精肉にして一般販売するためではなく、加工品など表舞台での商品化ではない。だって、スーパーで経産牛を見たことないですからね。じゃー、市場で取引された経産牛はどこへ行ってるのか、、、(謎)

僕はもともと経産牛の価値を上げたいと公言して、枯らしたり熟成させたりして、A5とは別の「おいしさ=価値観」でやってきたので、結果としては良かったのかなと思っている。もちろん僕一人では無理なことばかり。そこは、経産牛を使ってくれている料理人の存在が大きい。

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