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柔らかい硬いの評価ではなくおいしいかおいしくないか

公開日: : 2020/04/18 コラム

前みたいに気の合う仲間と飲んだり食べたりしたいですよね。なんか数ヶ月前のことが遠いむかしのことのようです。

新保さんは、自分の肉しか食べないからなぁ。、、

なんてことをよく言われますが、そんなことはないんですよ。ちゃんとした肉でちゃんと保存、管理された肉であれば食べます。「ちゃんとした」というのは、生産者も産地も明確であること。なので、「和牛」「黒毛和牛」「国産牛」のみの表示のものは食べないようにしています。背景が見えないものはできるだけ口にしたくないですしね。

飲食店は、むかしのように肉屋から肉を買うということが少なくなってきました。それだけ肉屋に力がなくなってきたということでしょうね。仕入れルートで一番多いのは、なんでも扱ってる食品会社かな。調味料から食肉までなんでもござれです。便利ですよね、近場だと配達もしてくれますから。でもね、食品会社から肉を仕入れる理由って、質とかではなく価格ですよね。セジールにも調味料を仕入れている食品会社があります。そこは肉も持っています。もちろん買うことはないですが、仮に僕が興味があって質問したところで、僕より知識があるとは思えないです。もっと言うなら、商品知識どころの問題じゃなく、その商品に愛もなにもないわけですから、僕はそういうの無理なんです。

次に問屋さん。流れ的には生産者がいて加工業者がいて料理人かな。問屋さんの仕事も重要ですし加工業者もポジションも重要です。でもね、加工業者の仕事と僕なんかの仕事はまったく違うのです。そのあたりを理解してもらうのは難しいのですが、これからは、そういう仕事がもっとクローズアップされるべきじゃないかな。だってね、自分で言うのもなんですが、おいしい肉を作るには絶対欠かせない存在だと思うんです。

いままでは、柔らかいか硬いかがおいしさの指標みたいになっていましたが、これからは、おいしいか、おいしくないか、だと思うのです。なにをいまさらと思われるかもしれませんが、おいしいの本質がこれから求められるんじゃないかな。なので、デタラメやってた人は通用しなくなりますよ。

僕がいちばん重要視しているのは「保存」です。保存、管理に関しては、真空パックで長期保存した肉は、焼くと旨味が抜けていて脂が酸化しているので、肉に味がないのですが、これは、食べなくても肉を見ただけでわかります。僕が特殊なのではなく、長く枝肉扱っている人ならみなさん分ると思います。ただ、いまは真空パックの肉が流通のほとんどを占めているので、同業者も料理人も、それに慣れてしまっています。なので、そのあたりの見分けをできる人は少ないと思います。

どちらにしても、背景の見えないものは牛でも豚でも言葉はよくないですが気持ち悪いです。あと飲食店でA5を自慢たらしくメニューに表示しているものも食べることはないです。なんかカッコ悪いというか、ウリはそこ?って思ってしまいます。僕はこういうのがいちばん恥ずかしい。記号や数字は食べられないですからね。融点が低いとか、幻の・・とかいうのは僕からすれば問題外です。

メニューに和牛とだけ表示していても、おいしかったり、感動したら、「ちょっと聞いてもいいですか」ってサービスの人なりシェフに質問しますよ。そのときに、肉の背景をさりげなく説明するとカッコいいと思うのですが、、、

いまテレワークや自宅待機で家飯の方が多いと思います。料理をする機会も増えたんじゃないでしょうか。だからこそ、しっかり、見極めて、こだわってほしいと思います。だいたいが情報多すぎますよね。芸能人が本業以外で牛肉に詳しいみたいなことをやってる人いますが、あれなんかは散らばってる情報を拾ってきて張り付けただけで薄っぺらいですね。デタラメを平気で信じて、そこに群がる人がいるから、またタチが悪い。

歴史的にみてもパンデミックのあとは、大きく社会構造が変わっています。情報で右往左往する時代が終わり、牛にしろ豚にしろ、自然を壊さないで飼育したものが人間の心を豊かにし私たちの体を作る、いわば本来あるべき自然と人との共存に戻らなければいけないような気がします。僕も含め一人一人が、いまより素晴らしい社会になるように心がけていかなければ夜明けは遠いですね。

ってことで何回も頷きました。

『サピエンス全史』のユヴァル・ノア・ハラリ氏、 “新型コロナウィルス”についてTIME誌に緊急寄稿!

さて、愛農ポーク。出荷が4月で終わると案内していましたが、体重測定したら5月も出荷できそうな豚が何頭かいるみたいです。このあたりは、ビジネスを優先してやっていないので、豚の発育状態に合わせた出荷となります。出荷の基準は体重100kgを超えてからなのですが、急に体重増えたりするとバタバタします。何千頭、何万頭と飼っている人から見れば、バカみたいだと思われそうですが、肩の力を抜いて、出荷する側も受け取る側もイライラせずに、のんびり、のんびり、「あれ、3頭って聞いてたのに、4頭も来てるよ」、って感じの適当さ加減が僕にはちょうどいいんです。

 

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