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吉田牧場さんのブラウンスイス牛

公開日: : 2017/08/28 牧場・生産者

僕が商売をしている場所は黒毛和牛のど真ん中。日本最古の銘柄牛“近江牛”を生業にしている生産者や精肉店、さらに飲食店がひしめき合っています。その地で、ジビーフ(アンガス牛)を扱うには意味がある。なぜやるのか。

僕がやってる肉の手当ては時代に逆らっている。でもそれがおもしろい。儲からないからだれも真似しない。飽き性の僕が退屈しない。よく似た人が集まってくる。そして仲間と飲む酒がうまい。生産者の生き様そのものが肉に表れている。たまに泣けてくる。

9月後半から10月にかけて、岡山の吉田牧場さんからブラウンスイス牛が3頭入荷してくる。興味を持ってくれる料理人は多いが、すべての部位がキレイに売れるわけじゃない。バラやスネなど使いにくい部位は必ず余る。余れば自分で食べればいいだけのこと。僕は数字を追いかけるような仕事はしたくないので、いまのスタンスが性に合ってるのかなと思ってます。

以下は吉田原野さんの投稿です。表にはでにくい情報ですが、こういう牛もいるってことを知ってほしいです。

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吉田牧場はチーズ農家です。もちろん飼育している牛は乳牛。元気なうちはできるだけ長くのんびりと牧場で過ごしてもらい、その間の乳の分け前をチーズに加工するようにしています。

そこで、乳牛の宿命なのですが、お産を繰り返してもらわないと乳を搾ることができません。当牧場での生涯のお産数は少なくとも5産以上、長い牛は10産にもなります。しかし、様々な事情で、健康な状態にもかかわらず、時に子牛を産むことができなくなる牛がいます。

そんな牛たちは、肉転用といって肉牛として農協へ出荷されます。しかし和牛やホルスタインではない、当牧場のブラウンスイス牛は正当に評価されていない現状にあります。せっかく健康に育った牛がかわいそう、どうにかならないものかと。ずっとそこが課題でした。

本来は乳肉兼用種の牛なので、適切に扱っていただけたらお肉は美味しいはず。放牧地でのんびりしながら、牧草や乾草をたらふく食べて育っています。今回、サカエヤの新保さんのご好意もあって、二度目の出荷をさせていただきます。前回のお肉は美味しく皆様に召し上がっていただけたようです。嬉しい限りです。次の3頭が控えています。ご興味のある方は、ぜひサカエヤさんにお問い合わせください。

 

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