ナチュラルな流れのなかで感じたこと
公開日:
:
2016/11/16
コラム
メツゲライクスダ@楠田さんに作ったいただいた【テリーヌ ド ジビーフ オン ジュレ/ジビーフのゼリー寄せ】は、今月21日のイベントのサプライズだったが、我慢できずに披露してしまった。
楠田さんには、愛農ナチュラルポーク半頭をすでに預けていて、全部位をシャルキュトリーに仕込んでもらっている。そもそもは愛農ナチュラルポークの骨付きモモでジャンボンブランを作ってもらってみんなで食べようという話しで盛り上がり、ならばせっかくなので半頭まるごといきますか?!みたいなノリで「愛農ナチュラルポークを食べ尽くす会」となったのです。そして、当日のサプライズとしてジビーフのゼリー寄せを作ってもらったのです。我慢できずに食べたというのは大袈裟ですが、イベント開催日の一週間前、14日に生産者の西川奈緒子さんが講演に来られるということもあり、それならばと仕上げを早めていただきフライングしたというわけなのです。せっかく北海道から生産者が来られるんですから食べて欲しいですものね。
さて、食の世界だけではなく、いろんな分野で「ナチュラル」という言葉が使われていますが、牛肉に限って言えば牛舎で飼っている牛は当てはまらないと思うのです。
和牛の生産者から「うちは放牧させてますから健康的な牛に育つんです」と言われて見に行くと、屋根がない牛舎に牛がいるだけだったりすることがあります。いわゆるなんちゃって放牧ですが、これを放牧と呼んではいけませんよね。
エサにこだわっているとか健康に育てているとか言っても牛舎飼いとナチュラルがどうしても結びつかないし違和感があります。私も和牛を扱っているので、そのあたりは消費者の方に誤解されないようにしっかり説明していかなければいけないと感じています。誇張せずに正しく伝えることも安全や安心に繋がるのではないかと思うのです。
「草喰 なかひがし」の大将と話していたとき、私が鶏肉を探しているというなかで、大将は、毎朝の日課として山に入ってその日のお客様分だけの野草を摘み、鶏肉に関しては、仕入れ先のたまご屋さんに100羽飼ってもらっていて、使う分だけ自分でしめて捌いているとのこと。ワインに関しても、ある国産ワインをなかひがしさん用にと樽ごと分けてもらっているそうです。こういう流れこそナチュラルだと思うのです。
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