5月20日NHK「NEXT」にてジビーフ特集
公開日:
:
2015/04/27
ジビーフ(完全放牧野生牛) 完全放牧野生牛ジビーフ

5月20日(水)深夜0:10~
NHKの『NEXT』にて約30分間ジビーフが放送されます。
そのまえに短縮版ですが、5月15日(金)北海道クローズアップにて放送されます。
こちらは北海道限定で19時30分~です。
「お前に私が焼けるかい」。肉は、問うてきた。
赤色が深く、形容詞や表現などを否定する。
厳しい気候から身を守る脂は、肉に分厚く覆いかぶさり、草だけを食べてきた証に、色が黄色がかっている。北海道は襟裳岬にほど近い、日高山脈南部に位置する様似町にある駒谷牧場の完全放牧野生牛である。これほど焼く人間に挑んでくる牛肉は,見たことがない。
駒谷牧場は、総面積200ヘクタール。ディズニーランドの四倍の土地に、たった36頭の牛しか飼っていないという。さあどう焼くか。試案の挙句、分厚い脂を削り取り、それをロッジのスキレットでゆっくり溶かし、そこで肉が半身浴するくらいの脂を張って、揚げ焼きすることにした。脂が溶けはじめる。甘い香りが立ち込める。もう脂を溶かしている時点で、肉を食べている気分である。
さあ焼こう。ジュジャァ! 肉は威勢のいい音を立てながら脂に浸かっていった。
脂を肉にかけながら、片面が焼き固まった時点で、裏返し、再び脂から出ている肉の表面に、熱い脂をかける。
肉の上で脂が躍る。さらにたまらぬ香りに包まれて、じれったい。
焼きあがった。まだ食べてはいけない。
焼いた時間と同じだけ休ませ、粗い岩塩をふりかけて皿に盛り、、黒コショウのミルとマイユのマスタードを控えさせたテーブルに運んだ。
脂は、黄色から薄いオレンジ色へと変色している。こげ茶の芳ばしい焼き面とオレンジの色合いが美しい。
切ると、表面の1ミリだけが焼け焦げ、中はロゼ一色である。
切って口に運ぶ。噛む。
ずずん。一噛みした瞬間に、地鳴りがした。
心臓の鳴動が味の中にあって、体を揺さぶる。
どどうっ、どどうっ。噛めば噛むほどに、肉汁が流れ出す。しかしその肉汁は、我々が知っているものではない。
脂のだらしない甘みがなく、鉄分の味だけでもない、純真な命の滴りにあふれている。
食べるごとに、噛むごとに、牛の精気が我々の体に送り込まれて、気分が高まっていく。
命を食べるとはこういうことか。これほどまでに、壮絶なのか。もうフォークを使うのももどかしく、手づかみで食べた。
よく僕は、「野性味がある」という表現をするが、そのことが恥ずかしくなった。
「野性味がある」なんて、軟弱な都会人の浅はかな想像でしかないことを、この肉は伝える。
それほどにジビーフの味わいは、食の本質を揺さぶるのである。肉を食べる意味とはなんなのかと、人間に答えを突きつけるのである。
食べた後も、ジビーフは問い続けていた。
換気扇を回しても回しても、一週間ほど脂の甘い匂いは部屋に居座って離れない。
「こりゃ匂いだけでご飯が食べられるね」と、家族で笑った。
(タベアルキスト マッキー牧本氏)
関連記事
-
-
肉Meets × セトレマリーナびわ湖 in 生産者トークライブ
今日の滋賀は30度を超えた常夏状態で外仕事も汗が激しくとまらない。さすがに耐えられずに事務所
-
-
函館から6時間のドライブ、ジビーフを訪ねて様似へ
函館から車で6時間・・・もはや日本じゃない(笑) 数か月前、際コーポレーション
-
-
L’asse村山シェフのジビーフのネックを使った煮込み料理は驚きの味だった
料理人のみなさんと様似の駒谷牧場を訪ねたのが昨年の6月でした。ジビーフたちが草を育む大自然を
-
-
ジビーフのわくわく定期便、その前にジビーフとは
ジビーフとの出会いは西川奈緒子さんからの手紙でした。 私は、新千歳空港から車で20~3
-
-
サルティンボッカ木村シェフが挑む完全放牧野生牛
写真は、4月4日に開催する「肉Meets × 完全放牧野生牛 in サルティンボッカ」で木
- 新記事
- 部位ごとに骨を付ける捌き方
- 旧記事
- サシは牛の個性という考え方


















