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国産飼料100%で育てた近江プレミアム牛

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 「自然派ワイン」「ビオワイン」… よく飲みますが、それありきではなく、たまたまおいしかったのがビオだった。というだけ。スペインワインもよく飲みますし、酸化防止剤が入っていようがいまいが、私にとってのワインは液体のおいしさであり、肉との相性であり、ワインに限らずアルコール全般に求めるのは「健康」ではなく「おいしさ」なのです。健康を意識するなら飲まないほうがいいに決まってるしね。

折笠農場の折笠健さん(写真)は、いろいろやって行きついたのが農薬や化学肥料を使わない無肥料・自然農法なのです。山の木々や自然の営み、そのサイクルはすごくシンプルで判断基準はそれは自然か、自然じゃないか?そのどっちかなのです」師でもある木村秋則さんの言葉だそうです。しかし、ストーリーは描けてもおいしくなければ意味がありません。はじめて折笠さんの作るじゃがいもを食べた時、あまりにもおいしくて衝撃を受けました。どうやって作っているのですか?……. と尋ねた時、無肥料・無農薬だと私はこのとき知ったのです。

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国産のエサだけで牛を育てられないか?… 10年前に木下さんに聞いた(お願いした)とき、「この人はなにをわけのわからないことを言ってるのか」と思ったらしい。そのときに面と向かって言われたわけではなく、数年後に聞いた話ですが、あぁ~そんなふうに思われてたのか、って軽くショックでした。でも、よくよく考えればそりゃそうですよね。日本の畜産はほぼ100%輸入飼料に頼らないと維持できないのが現状ですから。

いやいや、うちは100%国産飼料ですよ、という牛飼いもたまにいるのですが、実際に中身を見たわけではないのでなんとも言えません。私たちが国産飼料100%で育てた「近江プレミアム牛」に至るまでは、かなり苦戦してきたので簡単ではないことは百も承知です。ある飼料を国産という触れ込みで使い始めたのですが、調べてみると輸入品を詰めかえて国産表示していたということもありました。ですから、とことん遡って調べて調べて、オール国産のものにこだわっていくと、意外とないものなのです。

無添加を謳っている食品でも、原材料にもともと入っている添加物は表示しなくてもいいという、いわゆる「キャリーオーバー」のものが多くあります。じつは、調べれば調べるほど表示義務のないものがほとんどなのです。これは一般的にはわからない。でも、私たちはわからないでは前に進めないのです。国産飼料にこだわるきっかけが、なんらかの理由で肉を食べられない人にも安心して食べてもらいたい、そのために飼料の出所を明確に、そして子どもたちが喜んで食べるような肉を作りたい。このあたりを話し出すと長くなるのでまた機会があれば書きたいと思います。

近江プレミアム牛は、1年前からようやく1ヵ月に1頭の出荷ができるようになりました。ゆくゆくは全頭近江プレミアム牛でいきたいのですが、需要が高まれば可能になるでしょう。現状では、半頭をきたやま南山さんが引き受けてくださり、残りの半頭を東西のシェフたちで分け合ってもらっています。おかげさまで、味に関しても高い評価をいただいていまして、国産飼料ありきではなく、絶対的な味の均一化にも成功していると自負しております。

各地で開催しております、肉Meetsですが、10月15日にセトレマリーナびわ湖において初めての宿泊形式で開催することになりました。メインの肉は近江プレミアム牛を考えていまして、生産者のトークライブとともにお楽しみいただこうと企画しております。すでに席は埋まりつつありますので、ご興味のある方は当店までお問い合わせください。

セトレマリーナびわ湖
http://www.hotelsetre-biwako.com/
●日時:2014年10月15日(水) 18:00スタート

●会場:セトレマリーナびわ湖
滋賀県守山市水保町 1380-1 ヤンマーマリーナ内
●会費: 35,000円(大人)
30,000円(未成年)
※ディナーとドリンク、朝食含む料金です。
●募集:28名

 

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