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完全放牧 野生牛は3月中旬に販売開始

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 完全放牧野生牛について、ご存じない方はこちら()をお読みいただくとして、昨年9月にきたやま南山にて行われた野生の牛を食す会は私の記憶に新しいところだが、なによりもお店を休んでまでお手伝いいただいたイルジョットの高橋シェフとサポートを買ってでてくれたクレメンティアの田淵シェフ、内田シェフはカッコよかった。

料理人はサラリーマンのように休日も少なく、ましてや土日祝日に休むなんてあり得ないし、拘束時間も長いわけです。週休2日のOLさんを彼女にした日にゃそりゃ大変ですわ(笑)
ゆとり教育で育った若者が自ら進んで厳しい料理の世界へ入ることも年々少なく、飲食業界の人手不足は深刻なのです。募集しても集まらない。やっと応募がきてもろくなのがいない。せっかく採用してもちょっと叱ったらすぐ辞めてしまう。面接にも来ない。・・・こんな感じですよ。

かといってホテルなんかでは料理は覚えられない。労基問題で働ける時間もサラリーマン並みでどうやってまともな料理が覚えられるのだろうか。エビの見分けもつかなくて当然ですよ。

でもね、私の周りにいる料理人はカッコいいんですよ。そういう料理人に憧れて料理の道を志す若者が1人でも増えればといいんですけどね。

さて、肉食な私ですが基本的には身元がしっかりしている肉しか食べないようにしている。例えば産地を謳った牛肉が当たり前のようになってきているが、だからなに?って感じです。牛肉ってもっと奥深くておいしさは産地じゃないんですよ。

厳密にいうと、肉のおいしさは「品種×血統×エサ×育て方」なんです。ただ、これだけではダメで、枝肉から精肉にするまでの「熟成×タイミング」が重要なのです。ここでいうところのタイミングとは、食べ頃を見誤るなということです。

実際、料理の腕はいいのにもう少しまともな肉を使えばいいのになぁ、なんて思うことがどれだけあるか。素材の力も大きいですよ。

先日のとかち帯広での講演前に駒谷牧場の西川さん家にお邪魔した。野生牛を見たかったのだがさすがに雪山に入る勇気はなかった。昨年のイベント後、少なからず問い合わせもいただいており野生牛を販売するかどうかを随分検討したのだが、結果として私が窓口となって3月から正式に販売することになった。

野生アンガス牛ではピンとこないのでネーミングは「完全放牧野生牛」でいきたいと思う。穀物肥育ではなく草だけで育った牛の肉は格付け的には最低だ(笑)

自生の草だけで育ったのだからサシなんてまったくない。和牛の世界では二束三文で経産牛より価値としては劣るだろう。しかも、A3レベルのコストがかかってしまうのだ。果たしてこれでビジネスとして成り立つのか。

数字合わせをすればビジネスとしては成立しない。しかし、私がやりたいことは共通価値の創造であり、和牛や国産牛、ましてや霜降肉や赤身肉というカテゴリーではなく、細胞から整える栄養療法にかかせない牛肉、そんな位置づけを目指しているのです。

すでに興味を示し応援してくれている医療関係者、そして料理人、消費者のみなさんと真剣に創り上げていきたいと思います。しばらくは月1頭~2か月に1頭ペースになりそうだが、1月21日の入荷分は40日間ドライエージングさせるので一般販売は3月中旬~4月上旬になりそうです。

販売前にお披露目会を開催します。詳細はこれから詰めていきますが東京での開催を検討しています。

昨年は、入荷からイベント開催日までタイトだったこともあり熟成期間が30日と短かった。私の思うような熟成ではなかったので今回はしっかり40日以上は熟成させたい。ただ、気になることもあり、同日に熊本県産の経産牛ロースと近江牛ロース、そして野生牛を熟成庫へ入れたのだが、あきらかに3本ともに菌の付き方が違った。特に野生牛には菌の付着が弱かったのか黴が他の2本に比べて極端につかなかった。このあたりも今後の課題ではある。

 

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