熟成肉は健康志向な方にこそ食べていただきたい
公開日:
:
2012/08/20
熟成肉
夏になると各雑誌が牛肉特集を組むのは例年通りなのだが
赤身肉や熟成肉を取り上げた記事が今年は目立つ。
料理人や店のオーナーがこぞって〝こだわり〟をしゃべり
それをライターがうまくまとめて記事にする。
いつも思うことだが、ライターの方の取材力には感心させられる。
プロですからと言われればそれまでだが、餅は餅屋ということだろう。
さて、熟成肉についてはいまだ解明されていないことも多く
例えば、同じような肉を同じ条件(設備など)でドライエージングさせても
仕上がりがまったく異なることがある。
近江長寿牛(経産牛)と短角牛のロースを同時にドライエージングさせたときは
近江長寿牛は黴が生え、ナッツ香がかなりキツく香ったのだが、短角牛は黴どころか
香りさえ感じなかった。
これは、個体に原因があると思うのだが、つまり熟成に向き不向きの結果であり
同じ短角牛でもうまく熟成されることもある。
ただ1ついえることは、近江牛を熟成させてうまくいかなかったことがないということだ。
もちろん、近江長寿牛やA2あたりの評価の低い肉しか熟成させないので、評価の高い、A4や
A5の肉を熟成させた場合の結果はわからない。
このあたりも意見がわかれるところで、肉質が劣る牛をおいしくするために熟成させるという
考え方があり、片方では、上質な黒毛和牛をさらにおいしくするために熟成させるという考え方
もある。
どれが正解でどれが不正解ということはないが、このあたりは各々の経験に基づくところが
大きいのではないだろうか。
ちなみに私の考えは、A4やA5の牛をあえてドライージングしなくても、枝肉熟成で十分だと思う。
一度、サシがたくさん入ったロースをドライエージングにしたことがあった。
脂がまろやかになり食べやすくなるかと期待したのだが、かえって食感が脂っぽくなってしまった。
最近は、当サイトで販売している熟成肉の認知度も高まりつつあるのか、
リピート率も上がってきた。
まだまだプロの料理人の方からのご購入が半分以上なのだが、それでも食通の方からの
うれしいコメントなども頂戴している。
私も10日に1度のペースで、熟成肉とじっくり向き合う時間を作っているのだが
きれいに焼き上がったときなんかテンション上がりっぱなしになる。
写真の肉は、530gの熟成肉をまず強火のフライパンで焦げ目をつけたあと
アルミホイルに包んで、オーブンで30分ローストした。
余熱で5分、包丁を入れた時の鮮やかなサーモンピンクに思わずうっとりと
してしまう。
さすがに530gは食べられなかったが、それでも300gはおいしくいただいた。
驚くことに、食後の胃もたれもなく、脂ギトギトの霜降り肉を食べた後のような後悔もない。
赤身肉なので、脂肪を燃焼させるL-カルニチンも豊富に含まれている。
熟成肉は、現在プチブーム中だが、大ブレークする予感ありだ。
関連記事
-
レストラン向けのホルスタイン30日熟成リブロースは安価でうまい
写真は某レストランでいただいたステーキです。オーストラリア産のロースですが、赤身の淡白な味に
-
次回の熟成肉の販売は7月15日を予定しています
先週あたりから熟成肉の問い合わせが急増しはじめているのだが、テレビや雑誌などで話題になったか
-
柴田書店「専門料理」に熟成肉が掲載されています
昨日の記事に、こんなことを書いた。 この日も、少し肉の話をしたが、 熟成肉に取り組ん
-
近江プレミアム牛の「枝枯らし」は伸びのある肉質と長く続く余韻が特徴です
友人に誘われて外食することが多い今日この頃。行き先はほぼ100%友人の知り合いがいるレストラ
-
ようやく納得できる熟成肉が完成した!
ようやく納得のいく熟成肉が仕上がった。 つまりは、売り物としてお金をいただける代物とい