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筋細胞外脂肪(EMCL)

公開日: : 2011/10/21 雑記

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先日、テレビの番組で「EMCL」の特集をやっていた。

EMCLとは、筋細胞外脂肪のことで
筋肉の隙間に入り込むと、筋繊維の収縮を妨げ
結果、お腹がたるんでしまうというわけです。

筋肉は常に新しい細胞と入れ替わっていて
新しい筋肉の元になる細胞が、筋衛星細胞なんですが

筋肉を使わないと、筋衛星細胞がMCLに変化してしまいます。

さらに、無理なダイエットによって、筋肉のたんぱく質が不足すると、
成長因子が減少し、筋肉が霜降りになってしまうのです。

つまりは、お腹のたるみは”サシ”というわけだ。

番組では牛に例えて解説していたが、たんぱく質が足りないと
痩せていき、成長因子の分泌も減少するため、筋肉の霜降り化につながる。

人間は、たるみたくてたるんでいるわけではないのだが
牛の場合は、肥育段階で意図的にサシを入れるので、
逆に霜降りにならなければ評価されない。

それが技術でもあるのだが、結局サシは脂なので
よーく考えてみれば分かることだが、たくさん食べればくどくもなるし
胃もたれして当然なのだ。

グルメ番組でレポーターが、とろけますねー
なんて言ってる場面をみかけるが、そりゃ脂だからとろけるやろ、てことだ。

当店の場合は、生産者にできるだけ赤身になるよう育ててもらっているのだが
それでも、ロース系にはサシが入ってしまう。

格付けが低くても、それは同じで入るべき部分には
サシは入ってしまうのだ。

牛肉の評価は、見た目(サシ)重視の格付けで決まるのだが
味はあまり重要視されていない。

だから、A5だからといって「おいしい牛肉」だとは限らないし
A4でもA3でも、おいしい牛肉がたくさんある。

それを見極めるのが、私たちの仕事なのだ。

また、どうやったらおいしくなるのかを工夫しながら
熟成させたり、精肉にするタイミングを計ったりすることも
長年の経験と知識がなせる技といえるだろう。

先週から販売している、近江牛熟成肉がまさにそれで、
メルマガ配信後に注文が殺到したが、私が考える熟成肉は、格付けの低い赤身肉を
どうやったら柔らかくておいしい肉にすることができるか、それを考えて実践し続けた結果、
ドライエージング(熟成肉)に行きついたのだ。

硬くてどうしようもない格付けの低い赤身肉が
驚くほどおいしくなるわけだから、それはもう感動ものである。

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