わくわく定期便3万円
公開日:
:
2021/03/28
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「わくわく定期便」のコースは、5980円、9980円、19800円、30000円の4パターン。
毎月内容を変えているのだが、だれにでも受け入れられる組み立てにするので幅が狭い。なので、牛、豚、鷄の3アイテムから決めるのだが、本当は内臓を入れたり、良いものが入荷したときだけジビエをいれたりと、やり方はいくらでもあるのだ。しかし、全員にそれをやってしまうと、好みがあるだろうし、クレームの可能性が大きい。では、知り合いだけでもと思うだろうが、毎日の発送件数のなかから1人だけ、2人だけを特別なことをやってしまうと、それだけで工程が大きく狂ってしまう。あくまでも「調理しやすい」と「お得」「おいしい肉」を前提として内容を考えているのです。
難しいのは、30000円のコースだ。当初は.さすがに毎月30000円のコースはだれも頼まないだろうと思っていた。「極端の回避性」を意識した値付けであれば9980円と19800円が売れると予測できるが、そういった戦略的なことは一切無視している。
料理でも、1万円の料理は作れるが3万円の料理は作れないと言われる。その意味がよく分かる。それが、和食屋でお会計時に7万円とか8万円とか言われると二度と行きたくない。郷ひろみや松田聖子がでてきてもそこまでいかない。それでも、予約で数ヶ月先まで埋まってるそうで、移動費や宿泊を伴う場合などは、いったいいくらの食事になるのか。
もはや、食事を楽しむというより、予約がとれないことに価値を感じるのか、高い金額に価値を感じるのか、トータルとしての食事なのか僕にはわからないけど、たし算ばかりの料理は疲れる。
牛肉にキャビアやウニをのせて、さらに季節によっては、アワビに松茸、蟹と高級食材を積み上げれば、えげつない値段になるのはわかる。そこに得体の知れないワインなんか開けた日には月末のカード明細が恐ろしい。食材には罪はないけど、なんとも下品な料理だこと。
レストランの在り方、料理人の姿勢、なによりも食べる客の質にも問題があるように思う。
昨夜は、いつもの食堂でお腹いっぱい食べて飲んで、店主とバカな話をしながら幸せな気分で家に帰った。あいかわらず食材の使い方がうまい。今日もおいしかった。
話がとんでもない方向にいってしまったが、30000円のわくわく定期便。もはや内容はあってないようなもの。発送時間ギリギリまで、あれもこれも、悩みながらもその日の特別を詰め込む。
サシの多いロースやヒレを入れれば簡単だし悩まずにすむのだが。
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