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仕入れは価格より品質重視

公開日: : 2014/02/02 雑記

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昨日に引き続き、イルジョットの高橋シェフですがすごく楽しそうに肉を焼いているのが写真からも伝わります。この日は私たちのグループで貸切、1人で料理する高橋シェフの完全キャパオーバー、、、なのにですよ、楽しそうに肉を焼いているのです。

余裕のないシェフならイライラして眉間にシワを寄せながらスタッフだけじゃなくお客さんにも嫌な空気が伝わっているところです。

いくら良い食材を調理しても、シェフが不機嫌であればあるほど料理はマズくなると思うのです。つまりおいしい料理は商品環境が整っていてこそ成り立つのであって、食材や料理人の技術だけでは補えないものがあるのです。おいしさとはサービスも含めてトータルであり、そういう店が顧客満足度が高いのです。

昨日、ある方と話していて、新保さんのお肉を扱っている店はオーナーシェフが多くないですか?、、、と言われた。そういえば多いかもと指折り数えるとやはり多かったのです。

大型店は別として、10~30席規模の小さな店はほとんどがオーナーシェフです。そしてみなさん共通しているのが、儲かっていないということです。これは悪い意味じゃないですよ。ちゃんと生活できるレベルで営業されていますし客入りも悪くありません。どちらかといえば流行っている部類に入ります。それにしては儲かっていないということです。良心的という意味でもありません。惚れ込んだ食材は仕入れ価格関係なく買ってしまうからです。かくいう私もそうなのですが(笑)

チェーン店やオーナーが遠隔操作している店はとにかく数字。物事1つ決めるのにも時間がかかります。余談ですが、肉Meetsはオーナーシェフのいる店でやることがほとんどですが、理由は打ち合わせがスムーズで即決できるからです。以前、ある店で肉Meetsをやる手筈で事を進めていたのですが、オーナーが忙しい方で、料理人とのやりとりになったのですが、これが面倒で1つのことを進めるのにもいちいちオーナーのお伺いを立てるので時間がかかって仕方がないのです。結局私がしびれを切らしてやめてしまったのですが、あと仕入れ価格も厳しいですね。

良いものを安く仕入れたい気持ちは分かりますが、オーナーシェフは食材に惚れ込む性質の方が多く、仕入れは価格より品質を重視するむきがあるようです。

15年以上も前になりますが、ホテルと取引していたころ、仕入れ業者から少しでも安く仕入れるために業者から必死に食材を買い叩くわけです。こうした努力が報われることなんて私はないと思っています。一方だけが得をする商売は長い目で見れば成り立たないと思うのです。結局このホテルは倒産してしまいましたが、業者間ではそりゃ潰れるわな、という話で持ちきりでした。安く仕入れることが悪ではないにしても三方よしの精神でなければ気持ちの良い取引なんてできないのです。

大手のチェーン店なんかだと品質の下限を決めている場合が多いのですが、たとえば、一定の水準を下回る食材は持っていかない。肉色、硬さ、筋の多さ、脂の割合などです。私にはこういった取り決めで取引することはできませんが、ここでも格付け同様、味はあまり関係ないのです。

私は、価格よりもおいしい肉になるように品質を重視していますがたまには失敗もします。それでもチャレンジさせてくれる心優しい料理人のみなさんに囲まれてありがたい限りです。

さて、たくさんのお問い合わせをいただいております木下牧場さんの近江牛ですが、やっと熟成を終えて(ドライエージングではなく枝肉熟成という意味)明日より販売開始となります。

 

 

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