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比較は悲劇のはじまり

公開日: : 2018/01/03 未分類

正月気分というまったり感は年々薄れていくように感じています。元旦はお節に日本酒でそれなりに満喫しましたが、午後からは時間を持て余すばかり。テレビもつまらないのでジムで汗を流し、普段やらないことをやってみようと、インスタントラーメンを作って食べてみたり、それがマズかったりと、こうして私の正月があっという間に終わったのでした。

2日目からはいつも通りの生活です。やっぱりしっくりきます。さて、数年前から赤身がブームとなり、サシ肉が敬遠されるような傾向にありますが、じつはそんなことはなくて、サシ肉も根強い人気があるのです。

ワインに従事している方はテイスティングは必ずすると思うのですが、肉も同じようなものです。仕入れたすべての肉をテイスティング(あえて試食とは言わず・笑)することには限界がありますが、ちょっと心配な肉や、これはぜったいうまいだろうなと思う肉はがっつりテイスティングします。

昨日テイスティングしたA3の近江牛(サーロイン)は、昨年12月の最終のセリで仕入れたフレッシュなものですが抜群においしかったです。2切れを堪能して赤身のランプあたりを食べれば満足度もかなり上がります。サシ肉はくどいという声を聞きますが食べ方だと思うのです。もちろん焼き方や精肉にするタイミング、手当ての仕方など、いろんな要素が合致したときがおいしい瞬間には違いないのですが、組み合わせも重要かなと感じています。ワインなどアルコールとの組み合わせではなく肉と肉の組み合わせです。

近年消費者が多様化しているなか、提供する側もされる側も世に溢れているものすごい情報量を消化しきれていないのが現状だと思います。例えば、牛肉の格付けはひとつの物差しであっておいしさとは無関係ということは、ある程度牛肉に精通した方ならご存知かと思われます。ただ、A5がぜったいうまいと思っている方がいるのも事実であり、それはそれでその方の価値なのでいいのですが、厳密に言うとA5の牛肉でもうまいのもあればそうじゃないのもあります。それはA5に限らずA4だってA3だって同じことです。さらに突っ込めば、放牧だって牛舎飼いだって、どれが正解とかないのです。放牧には放牧の良いところがあり、牛舎飼いには牛舎飼いの良いところがあります。ジビーフのように通年放牧に適した牛もいれば近江牛のように牛舎飼いに適した牛もいるということです。そういうこともふまえたうえで自分にとってのおいしい牛肉を選ぶことが楽しさと奥深さだと思います。

だから、けっして比較するものではないのです。放牧と牛舎飼いを比較したって根本が違うので仕方がないことですし、赤身とサシ肉の比較もあまり意味を感じません。それらを論じはじめるとエスカレートした先には悲劇しかないような気がします。人間社会においても同じだと思うのです。兄弟で比較されたり、両親と比較されたり、同期と比較されたり‥等、そんなことを思った新年でした。

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