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小倉から熊本までジビーフが繋いでくれたビオの旅

公開日: : 2016/03/17 ジビーフ(完全放牧野生牛)

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駅もタクシーもホテルもくまモンだらけ。キャラクターにまったく興味がないのですが熱に押されて1枚パシャリ。今回はジビーフの生産者、西川奈緒子さんが農研機構(九州 沖縄農業研究センター)さんの情報交換会で基調講演するということもあり強行日程を組んでの熊本入りでした。熊本は父親の故郷なのでいつ来てもなんかザワザワしてしまいます。

せっかくなので前日は小倉のル・ルビーさんに奈緒子さんと応援団のみなさんが集合して愛農ナチュラルポークやジビーフを堪能することに。ル・ルビーさんはけっして大きなお店ではないのですが、愛農ナチュラルポークを半頭使ってくださっているのです。なんかすごいですね!心意気というかシビれます。

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ル・ルビー清末シェフのジビーフ、ランプ炭火焼です。↑長期吊るしをしていないのですこし水分が多かったです。水分が多いと火の通りが早いのですが、そのあたりも計算しながら表面をカリッと焼き上げて旨味を閉じ込めているのはさすがでした。マダムおすすめのワインとのペアリングも飲みすぎるほどおいしくて、こんな店が近くにあったらなぁーとだれもがそう思いたくなる素敵なお店です。小倉に行かれることがあればぜひ訪ねてみてください。

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さて、小倉から60分ほどで熊本に行けるのですから、ありがたや九州新幹線ですね。奈緒子さんのお話しを改めて聞くと壮絶ですね。1982年の牧場設立からはじまった親子2代に渡る牛飼い人生は、牛肉偽装事件やBSE、口蹄疫で経営が悪化し、2011年に最後の望みを託したのがジビーフだったのです。しかし、そんなに簡単に売れるはずがありません。生活は苦しくなるばかりで、ご主人の姿が見えないと山で首を吊っているんじゃないかと真剣に心配したらしく、それほど苦しい状況だったようです。

じゃー現在はどうなのかと言うと、少し先が見えてきただけで、ようやくスタートラインに立たせてもらった感じなのです。実際10頭までは各部位を売り切ることができませんでした。バラが残ったりスネが残ったりとキレイに売り切ることができなかったのです。今年に出荷した「ハチロウ」と「ヤッくん」でようやくクズ1つ残さず売り切ることができたのです。応援してくださっている料理人の方々のおかげですが、よくもまぁ、こんな難しい肉を使っていただけるなぁと感謝感謝です。

 

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奈緒子さんの講演中、私も少しだけ振られたのでお話しさせていただいたのですが、参加者の関心はただひとつ、どうやって売っているのかです。つまり和牛でも1頭売るのが難しいのに、馴染みのない野生の牛をいったいどのような流通でどこへ売っているのか・・・

この日の参加者には、同じように放牧で牛を育てている生産者や市場に流通しにくい牛を育てている生産者など、とにかく「売りにくい」牛を育てている畜産関係者の集まりのような感じでした。だからこそどうやって流通させればいいのかが課題であり、そのための情報交換会なのです。

会の途中に、ジビーフと周年放牧肥育牛肉をいろんな料理で食べ比べるという試食会がありました。ジビーフは肩ロースをご用意させていただいたのですが、シェフが手強かったというようにかなり苦戦した様子が伺えました。

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はじめてのジビーフで肩ロースはやりにくかったと思います。それでも参加者のみなさんは口々に「おいしくて驚いた!」とおっしゃっていましたので、結果オーライかなと。でも、内心はジビーフの旨さはこんなもんじゃいぞと思ったりしてまして、少しばかり歯痒かったのです。

会は盛況のうちに終わり、私たちは急いでレストランKAWAZOEさんへ行くためにタクシーに乗り込んだのですが、これがハズレで運転手が道を知らないのです。まぁね、よくあることですよ。でもね、これだけひどいタクシーに当たったのははじめてでした。20分ほど遅刻してKAWAZOEさんに到着すると、熊本の生産者さんが集まってくれていました。この生産者たちが濃かった。みなさん自然派の方達ばかりでかなり変(笑)

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ジビーフのウチヒラですが、赤身が詰まっていておいしかったです。

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この日は地元のテレビも入っていて奈緒子さんと私もインタビューされたり、ジビーフについてあれこれ話させていただきました。

とまぁ、慌ただしい旅だったのですが、肝心の阿蘇へ行くことができなかったので、また時間を作ってこの日に知り合った生産者のもとを訪ねたいと思います。

 

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