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真空パックの肉と捌きたての肉の違い

公開日: : 2015/07/06 未分類

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2枚の写真は同じ部位(ソトヒラ)ですが違いが分かりますか?

牛肉に関わる仕事をされている方やマニアックな肉好きは分かると思いますが、1枚目の写真は骨を外した直後で2枚目の写真は骨を外した後、真空パックにして10日程度経過したものです。10日程度でもパックを破るとドリップ(肉汁)が流出します。そのドリップに肉の旨味が混ざっているのですが、真空パックでの保存期間が長ければ長いほどドリップが多く旨味が逃げていくというわけです。

真空パックが悪いといっているわけではなく、双方に利点もあれば欠点もあります。真空パックの場合は、長期保存(30日程度ですが)が可能ですし、小分けにして真空パックすればかなり使い勝手がいいのです。ただ、個体差にもよりますが水分の多い肉だと、かなりのドリップがでます。真空パックから解放された肉は旨味がドリップに混ざって流失していくので、力のない肉はどうしても旨味を損なっている場合が多いのです。
逆に、ナマの状態で保存した肉は熟成がすすみ旨味が増します。ただし変色が早く歩留りが悪くなることから回転率のよい店で使うにはいいものの、ゆっくりした店では使い勝手が悪いと思います。どちらにしても骨を外した瞬間から酸化がすすむので、理想は骨付きの状態で保存し、必要に応じて骨を外すことが良いとは思うのですが、このあたりは冷蔵庫や調理場の環境および技術的なこともありますし、なによりも考え方は人それぞれですから、あくまでも(私は)を前提に骨付きでの保存が、なによりも肉が持っているポテンシャルを引き上げやすいと思っています。

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ウチヒラとマル(シンタマ)を外して、ソトヒラ、ランプを骨付きで残している状態です。私のやり方は一気に骨から外さずに、間隔を空けて外すようにしています。最後のランプに至っては30日~60日じっくり寝かせます。変色した部分は削るので歩留りは悪くなりますが、フレッシュとはまた違った味わいを楽しむことができます。

同じ牛でも部位ごとの特性を活かした寝かせ方(熟成)があるので、その都度肉を見極めて試行錯誤しています。まだまだ完璧にはほど遠いですが・・・

さて、入荷&仕上がり情報です。

・オークリーフ牧場からホワイトヴィール(乳飲み仔牛)が入荷しています。

・熟成肉は、大分県産、鹿児島県産、宮崎県産(すべて経産牛)のロース、モモが仕上がっています。

・木下牧場の近江牛と愛農ナチュラルポークは完売。

 

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