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次人くんを食べる会 in イルジョット

公開日: : 2015/06/25 イベント

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30日以上経ちますが、表面にうっすらとカビが確認できます。ドライエージングではなく、枝肉吊るしというやり方です。新しい技法ではなく、真空パックが普及するまで、どこの肉屋でもあたりまえにやっていたことです。いわゆる昔のやり方です。枝肉を密集させれば湿度が上がり、カビが繁殖しやすくなるのですが、要は肉をおいしくするためにあれこれやっているわけです。

この肉は、A3評価だったのですが思った以上にサシが入っていたため少し寝かせてみました。サシが多い霜降り肉はドライエージングより枝肉枯らしのほうが適していると思っているからです。

ドライエージングしたものに比べて、香りが弱く脂質がなめらかになるように感じます。風を当て続けることで肉が含む余計な水分(自由水)を飛ばし、タンパク質やミネラルを凝縮させるのがドライエージングですが、湿度管理できない冷蔵庫でも工夫次第でドライエージングと同じような状況は作れます。

表面の乾燥が進むと、微生物が生成する酵素によって凝縮されたタンパク質がうまみ成分のアミノ酸に変化するのですが、こういったことはいまや熟成肉ブームですから少し調べれがいくらでもでてきます。私が考える熟成肉は、理屈ではなく、いかに食べやすくておいしい牛肉に仕上がるか、その一点です。つまり、サシがたくさん入った霜降り肉はせいぜい一切れしか食べることができないが、熟成させたり枝枯らしで二切れ、三切れ食べれるのであれば歩留りが悪くなろうとも価値があると思うのです。

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骨を外して3㎝ほどカットした断面です。キレイな小豆色したいかにもおいしそうな肉質です。身もしっかり詰まっていて、指で押し込んでも余計な水分が飛んでいるため脂がしっとりしたています。まるでハンドクリームを塗ったような感じです。

さて、写真はリブロースですが、サーロインはすでに駒沢のイタリアン、イルジョットへ7日前に送っています。この牛は「次人」と言いまして、友人から拝借した名前がついているのですが、せっかくなのでホンモノ(笑)の「次人くんを食べる会」をやろうということになり、次人くん(人間のほう)にゆかりのある方々を招いて開催したのです。

“次人くんを食べる会 in イルジョット”

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イルジョットで高橋シェフに見せられたサーロインはやっぱりサシが多い。ほんとうに大丈夫なのか心配になると同時に、参加者のみなさんはどんな反応をするのか、それはそれで興味津々だったのです。いくら健康に育てても、どんなに愛情いっぱいで育てても、サシの入った肉はやっぱりくどいんです。良い悪いは別にして、肥育段階で意図的にサシを入れた肉も遺伝子的にサシが入った肉も、私にはくどいのです。サシは見た目キレイですが脂ですからたくさん食べれなくて当たり前です。とろけて感動するのは最初の1枚だけで枚数を重ねるうちに胃もたれ確実なのです(私の場合ですよ)もちろん、サシが入っていようがすき焼きに使うケンネ(脂の塊)まで食べる人がいますから個人差はありますよ。でも、一般的には私と同じようなタイプの方が多いと思うんですよね。

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さて、結果からいいますと、体にすーっと馴染むような脂の質に仕上がっていました。私はサシの多い肉はサイコロ状に小さくカットして咀嚼するのですが、良い肉はそのほうが旨味がじわーっと感じることができます。逆に輸入牛肉を同じように咀嚼すると臭みが増して違った意味で気持ち悪くなったりします。

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高橋シェフの火入れは強火で一気にもっていくのですが、その加減が絶妙なのです。焼く前の写真と比較してもらえれば分かると思いますが、サシが消えたかのごとく赤身のインパクトが強くなっています。食べると赤身肉では感じることのない脂のなめらかさを感じます。しかし、それは一瞬で旨みのパワーが半端なく口の中に広がるのです。舌先に酸が残り、余韻が長く続く理想の肉と、その肉を理解しパーフェクトに焼き上げたシェフの力量です。こうい肉を食べてしまうと、しばらくは肉が遠ざかってしまうのです。私がいう余韻の長い肉とはこういうことなのです。

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牛を活かしてくれるすばらしい焼き手に巡り合えて本当に感謝しています。

 

 

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