熟成いろいろ、同じ条件でも個体差でこうも違うものなのか
昨日今日とテレビの影響で、木下牧場の肉を求めて来店くださるお客様が多数。なにわナンバーやら京都ナンバーやら、県外の方が目立った。ロース系は店頭でも販売しているのだが、モモ系は先に予約いただいているレストランやネットのお客様でほぼ完売状態なのだ。
木下さんの肉は、他の牧場さんの肉と比較してもあきらかに違いがわかる。味は正直好みがあるので好き嫌いがあるかも知れないが、できればロース系で試していただきたい。
さて、下の写真は本日仕上がったばかりの藤井さんの熟成肉だ。
駒谷牧場、西川さんの野生アンガス牛と同じ日に熟成庫に入れた藤井牧場さんの近江牛(経産牛)。どちらも部位はロース。
条件はまったく同じなのにこれほど違うものなのか。藤井さんのロースは脂までカビに覆われており、チーズのような香りがする。見た目もチーズそのもの。一方、駒谷牧場、西川さんの野生アンガス牛は断面は熟成感がでているものの、背脂はまったくカビが付着していない。
個体によって熟成に向き不向きがあることは経験上理解はしていたが、これほど差がでるとは正直思ってもいなかった。いやぁー、奥が深い。野生アンガス牛は、赤身が強く水分が少なかったうえにドライエージングにより完全に水分が飛んでしまっていた。料理を担当してくれたイルジョットの高橋シェフは、やけに火のとおりが早かったと言っていたのはこういうことだったのだろう。
藤井さんの熟成ロースは、とにかく小さくて片手で持てる重さしかないのだ。わかるかな、、、骨付きの状態で右手に1本、左手に1本軽々持てるのだ。普通は両手でも重くて慣れていないと持てない。
近江牛の経産、お母さん牛はとっても貴重なので売り先もいろいろ考えてしまう。おいしく料理してくれるシェフの元へ届けたいのだ。ということで今回は、肉の特徴を生かした料理をしてくれるであろうシェフの元へ・・・。
リブを大阪の靭公園近くにある、ビストロ デ シュナパンへ。サーロインを南草津のサルティンボッカへ。そして残りの1本(リブ&サーロイン)を京都河原町丸太町のル・キャットーズィエムへ。
重量的にかなり小さいのですぐになくなると思いますが、お時間ある方はぜひ。
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