新しい畜産の創造から生まれた吟撰但馬系プレミア近江牛
公開日:
:
2012/07/21
イベント
粗飼料66%で仕上げた「吟撰但馬系プレミア近江牛」のお披露目会が無事終わりました。
ちなみに通常の和牛は粗飼料10%程度ですから、いかに無謀(笑)な取組みなのか
お分かりいただけるかと。
いや、牛はもともと草食動物なので本来の姿に戻ったというか、それは飼育状況のなかで
毛並みや牛の体調をみれば良く分かった。
結果として、病気1つせず、すばらしい肉質に仕上がったのですから。
こういった取り組みは畜産、特に和牛の世界からすれば常識外れで、
そもそも、和牛はいかにしてサシを入れるかが肥育のポイントなのだ。
しかし、消費者の好みは時代とともに多様化し、「和牛=霜降り」から
赤身肉、熟成肉など、求められるニーズが変化しつつあるのが現状。
そういった背景もあり、3年前から自家産の粗飼料とご近所で分けてもらった
穀物だけで育ててきたのだ。
予想では、赤身が多く脂は黄色がかったもので格付けでいうならA2あたりだと
だれもが思っていたのだが、枝肉評価でA5-BMS5という予想を覆す結果になった。
喜んでいいのか(私はあまりうれしくなかったが)複雑な気持ちではあるのだが
一番とまどったのが生産者の木下さんだった。
通常は、サシを入れるためにビタミンコントロールなどをして飼養管理するのだが、
自然のままに飼ってこの結果は今後の飼育に大いに役立つものだと思う。
さて、今回のお披露目会では、たくさんのコラボが実現した。
南草津にあるイタリアンの名店、サルティンボッカの木村シェフ、
肉に合うワインを選んでくれたワイングロッサリーさん、〆のオルツォに合う器を提供してくれた
清水焼の窯元、伊藤南山さん、共感して参加してくださった肉好きな80名のみなさま。
そして、楠本社長率いるきたやま南山のすばらしいスタッフ達!
写真は、木村シェフによる「塩麹でマリネしたプレミア近江牛ランプステーキ」だが
よくぞこれほどうまく料理してくれたものだと感激だった。
うまいとしか表現のしようがないのだが、これを食べたら他の肉を食べれなくなるとの
意見も多数あった。
次回のプレミア近江牛出荷日は、10月を予定しているのだがさてどのような肉質になるのか
いまから楽しみだ。
サシ一辺倒だった和牛の世界だが、これからは赤身肉のニーズも増え、それぞれが平等に
評価される時代になりそうだ。
吟撰但馬系プレミア近江牛に関しては、時間に余裕のあるときにでも
もう少し書いてみたい。
とりあえず報告まで。
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