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エシカルな時代がやってきた!

公開日: : 2012/03/18 雑記

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今月は講演が多く、自分がいったい何屋なのかと思うぐらい少しハードだ。

正真正銘、肉屋であり、肉屋しかできない私だからこそ伝えられることがある。
カッコよく言うとそんなとこだが、いかんせんプレゼンテーション能力がまったくない。

参加者のみなさんは、忙しい時間を割いて聞きに来てくれる。
しかし、申し訳ないが私はしゃべりがうまくないので、日によって出来不出来があるわけだ。

いままで納得できたしゃべりなんて1回もないが、それでも共感できる内容だった
と言ってもらえると、お世辞でもうれしいものだ。

さて、先日、ネットショップコンテスト北陸2012の表彰式において
審査員と基調講演をやらせていただいた。

審査は難航したが大賞は福井の小林大伸堂さんが運営するローズストーンが受賞した。
素敵なサイトなのでぜひご覧いただきたい(→クリック

受賞式のあとは、審査員によるパネルディスカッションが行われた。
こちらは、様々な意見が聞けておもしろかった。

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ところで、今年に入ってから講演依頼がなぜか多く不思議な感じがする。
以前からネットショップ系の講演はよく頼まれるのだが、
私にテクニックの話を期待しても無駄なわけで得意なのは根性論なのだ(笑)

腹筋100回、腕立て200回、大声出して走りまわれ・・・
なんてことはできないが(本当は体育会系なのでこんなのが好きなのだが)失敗しないコツは
1つのことをあきらめずに長くやることだ、みたいな話をするわけだ。

餅は餅屋で、テクニック的な話は、その筋の方の話を聞けばいいわけで
私が期待されるのは、実際にサイト運営しての実務から基づく経験談なのだ。

しかし、ここ最近の参加者から感じることは、方向性についてだ。

自分が進むべき方向はこちらで合っているのか?

どこへ行っても参加者の感想からそんなことを感じる。

2008年に「エシカル」という言葉を知ったのだが
ついに、というかやっとというか、先日病院の待合室で読んだ女性誌にも
「エシカル」について書かれていた。

エシカルとは直訳すると“倫理的”“道徳的”という意味で
エコやロハスに続く、新たな環境保護を目的としたキーワードとして注目をされている。

欧米では浸透しているエシカルだが、日本ではフェトレードがなじみ深い。
ただ、エシカルは環境保護だけではなく、地域や社会貢献まで考えた消費行動や
ライフスタイルで、幅広い意味を持つ。

震災から1年が過ぎ、少しずつだが日本人の消費行動が変化しつつある。
いままでは「自分のための消費」だったように思うのだが、この1年をみていると
「消費を通して支援を行う」へシフトへしつつあるに感じる。

もちろん、まだまだ少数ではあるが、「エシカル」を実践する人が増えれば
消費者は善意による幸福感が得られ、支援先に喜んでもらえる。

企業はイメージアップにつながり、末長く支援ができるというもの。

エシカルは、企業・消費者・支援先の三方が幸せになれる消費活動であり
いわゆる「三方よし」の教えなのだ。

さて、話を牛肉に戻そう。

和牛の肥育は、無理やりサシを入れるやり方が、ここ10年ほどで主流になってきた。
「和牛=霜降り」を否定する気はまったくないのだが、狭い畜舎に牛を詰め込んで
輸入の穀物飼料をたっぷり食べさせ、不健康なまでにサシを入れるやり方は
どうも好きにはなれない。

やれA5だの、チャンピオン牛だのと霜降り肉の押しつけのような売り方、見せ方は
今後、グローバルな視点からみればどうなんだろうと考えてしまう。

やりようによっては、国産グラスフィーディングの可能性だったあるわけだ。
もちろん、サシが入らない可能性が大きいので、受け入れ先の問題などがでてくるが
ギトギトした霜降り肉より、よほど旨くて肉本来の味がある。

ビタミンAやEもたっぷり入って健康にもいいし、草を多く給餌するので
βカロチンも摂取できる。

ということは、若さを保ち発がん性の予防にもつながるので、サプリメントを
必要以上に摂らなくてもいいということになる。

何度も言うが、霜降り肉を否定している訳ではない。
輸入自由化のときもそうであったように、TPPの影響で安価な輸入牛肉が巷に溢れたとき
価格競合を避けるためには、格付けが必要なのは承知している。

ネットショップ運営者が方向性について悩んでいるのと同様に
私たち畜産に携わる者も軸をしっかり立てて、どの道に進むべきなのか
真剣に考えるときがきているのではないだろうか。

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