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瓢亭の京懐石は1つ1つに物語があった

公開日: : 2011/11/26 グルメ

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インターネットがつないでくれたご縁は数知れないが
牛肉がつないでくれたご縁は、同等、いやそれ以上かも知れない。

瓢亭の15代目高橋義弘さんも牛肉がつないでくれた一人だ。
37歳という若さだが、凛とした佇まいはさすがだ。

瓢亭といえば、京懐石の老舗で私なんかがおいそれと行けるもんではない。
数ヶ月前に、義弘さんがいつでも来てくださいという言葉を真に受けて
城めぐりの仲間2人とお邪魔したというわけだ。

義弘さんは、肉に興味があるが懐石では使わないし
かといって料理は時代とともに変化するもの。
瓢亭のスタイルは変わることはないが、私なりの料理のあり方を考えていきたい。

以前お会いしたときに、そんなことをおっしゃっていた。

この日も、少し肉の話をしたが、
熟成肉に取り組んでおられるんですねと義弘さん。

なんで知ってるんやろと思ったが
そういえば、やまけんさんが柴田書店の「専門料理」に連載しているので
うちの熟成肉のことを書いてもいいかと電話があったことを思い出した。

たしか、先月号だったのでとりよせてみよう。

さて、この日は本店のはなれをご用意していただいた。
茶室なので部屋は小さく、天井も少し低い。
特別な部屋だということで、我々世間知らずにはなんか申し訳ない。

次々に運ばれてくる料理に、おぉー!と感動したり、
あまりの旨さに無言になったりと作法の知らない客だと思われただろう。

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しばらくすると、女将があいさつにきてくれた。
威圧感というかオーラがすごすぎて我々3人はしばし固まってしまった。

すぐに帰るのかと思いきや、ごはんをよそぎはじめた。
いやいやいや、そんなん喉がつまるやないないの、と思いつつも
名物の瓢亭たまごを堪能した。

瓢亭の創業は400年前だそうで、元々は南禅寺の裏街道を行きかう人々のための
茶店だったそうだ。

茶菓子以外にも何か出して欲しいとお客さんに言われるようになり
庭先で飼っていた鶏の卵をゆがいて出したのが、瓢亭たまごのはじまりだそうだ。

天保8年8月15日から料理屋の看板を上げるようになり
八寸には必ず瓢亭たまごをつけるようになったとか。

女将さんの話はおもしろく、哲学の道らへんをよくねね(秀吉の正室)が
散歩してて・・・なんて昨日見たかのような口ぶりで話してくれる。

代々言い継がれてきているので、昔の話のような気がしないとのことだった。

歴史好きな我々3人は、女将さんの話に夢中でテンションが上がりすぎて
少々飲みすぎてしまった。

帰りには、現当主の高橋英一さんにも顔を出していただき
恐縮至極である。

瓢亭へはそうそう行けるもんじゃないが、
400年続く歴史の味や空気を感じられただけでも価値のある食事だった。

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